筆者がリバウンド狙いをしない理由は?

 筆者は基本的にはリバウンド狙いはしません。短期間でのリバウンドをしている間、株価は25日移動平均線より下に位置していることがほとんどだからです。

 実は筆者も以前は、リバウンド狙いをしていた時期がありました。株価の値下がりが進んでくると、25日移動平均線からのマイナスかい離率が大きい銘柄を探し、買い時を計っていました。

 でも、上手く行くこともあれば、失敗することもあり、トータルでみるとそれほどプラスにはなりませんでした。リバウンド狙いが失敗すれば、株価はさらに大きく下がることになるため、速やかに損切りすることが求められます。精神的に疲れるだけであまり実りが多くないと感じ、最近は手掛けていません。

 とにかく、リバウンド狙いは1にも2にも「いつ買うかが命」です。買う時期が1日ずれただけでも10%程度の損失は簡単に生じてしまいます。個人的には、リバウンド狙いで成功する買い時は「半日~1日」しかないと思っています。

 

リバウンド狙いの失敗を長期投資に置き換えない

 個人投資家がよくやってしまう失敗が、リバウンド狙いで買ったつもりがさらに株価が値下がりしてしまったので、長期投資に切り替えてしまうというものです。
これは、積極的に長期投資に切り替えるというよりは、損切りをしたくない、もしくはできないため、仕方なく保有を続けるというケースが多いと思います。

 しかし、そもそもリバウンド狙いという「短期投資」の目的で株を買ったわけですから、それが失敗したならば速やかに損切りをしなければなりません。

 個人投資家が失敗してしまう大きな理由が、「この株は短期間に上昇しそうだ」と考えて買ったものの意に反して下落してしまい、「持ち続けていれば上がるだろう」と持ち続けてしまうことなのです。

 もちろん単なるリバウンドではなく、保有を続けた結果、中長期的な底打ちを達成し、株価が上値を追うという展開になるケースももちろんあるでしょう。でもそれはたまたま運が良かっただけです。そんなことはいつまでも続くわけがありません。
長期下落相場であれば、株を保有すればするほど値下がりし、損失が膨らんでしまうのも事実です。

 

今回の下げ幅くらいでは底打ちしなかったケースも数多くある

 短期投資と長期投資とでは、投資対象とすべき銘柄も、売買のタイミングも全く異なります。短期投資をして上手くいかなかったのなら、速やかに損切りして撤退すべきです。

 筆者は今までに数多くの個人投資家とお会いしていますが、この失敗により含み損を抱えた塩漬け株を大量に保有して身動きが取れない、というケースを数多く見てきました。
個人投資家のツイッターやブログなどで「リバウンド狙い・大成功!」とか「リバウンドを取るなんて楽勝!」などと書かれているのを見て、「私も簡単にできそう」と思う方も多いようです。

 でも、長年株式投資を経験している筆者からみれば、10月30日の寄り付きに底打ちをして急反発したのは結果論であり、あの程度の下落では下げ止まらずさらに大きく下げ続けたケースも何度も経験しています。
2016年1月~2月の急落も、一旦リバウンドで反発しましたがその後再び底割れし、数多くの個人投資家が甚大なダメージを受けたのは記憶に新しいところです。

 特に、会社員の方など、昼間仕事をしながら株式投資をしている人がリバウンド狙いの投資をすると、仕事中株価が気になって仕方ないはずです。

 リバウンド狙いは、デイトレードや短期投資をする方には絶好の狙い目かも知れませんが、株価のトレンドに反した逆張りです。トレンドに従った中長期投資を行うのであれば、リバウンド狙いは無視して、いつものルール通りに売買すればよいと思います。