18年7-9月期決算はほぼ予想通り、現在株価の低バリュエーションを指摘

現地コード 銘柄名
00958

福耀玻璃工業集団

(フーヤオ・ガラス・インダストリー・グループ)

株価 情報種類
 2.01HKD
(11/1現在)
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 華能新能源は10月31日、18年1-9月期決算(中国会計基準)を発表したが、この数字から上期分を差し引くと、7-9月期の純利益は前年同期比102%増の1億6,900万元だった。大幅増益を支えたのは主に、財務費用の縮小。BOCIはポジティブサプライズとはいえないまでも、市場の弱気見通しを上回ったと指摘している。また、最近の株価の調整は行き過ぎとの見方。目標株価を小幅に引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 18年7-9月期の売上高は前年同期比6.6%増。電力販売量の伸び(6.7%増)とほぼ足並みを揃えた増収率となり、平均販売価格の安定推移を伺わせた。コスト面では、メンテンナンスやその他費用の増大を受け、営業費用全体が8.8%増加したものの、為替差損の縮小や借入れコストの管理が奏功し、正味の財務費用は約10%縮小した。

 7-9月期にはまた、未収状態にあった政府補助金およそ12億元を回収。続く10月も補助金回収において成果を挙げた。また、1-9月の設備投資が前年同期比14%減の28億元にとどまったことで、同期のフリーキャシュフロー(純現金収支:営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いた数字)は中国会計基準で約20億元。BOCIはバランスシートの健全化が進んだとして前向きに評価し、こうした状況が、増資の可能性に対する投資家の懸念を払拭することにもつながる見通しを示した。その一方、BOCIは設備投資の減速を反映させる形で、この先の発電容量の伸びに関する想定値を下方修正。18-20年の利益見通しをそれぞれ4%、6%、7%の幅で減額修正している。

 BOCIはDCF(ディスカウントキャッシュフロー)モデルを微調整した上で、目標株価を小幅に引き下げた。主に発電容量の伸び率に関する想定を引き下げ、営業費用を引き上げたため。19年予想PBR(株価純資産倍率)1.0倍をあてはめて目標株価を設定し、最近の政府補助金の回収を理由に、この水準は適正とした。中間決算発表以来の調整を受け、同社株価は現在、同PBR0.6倍の水準にあるとして、売られすぎ感を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

 また、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、BOCIは◇発電量伸び率が予想を下押しする可能性、◇営業費用が予想を上回る可能性を挙げている。