18年7-9月に6%増益、「伝棋」低迷も日系ブランドがけん引

現地コード 銘柄名
02238

広州汽車集団

(グァンジョウ・オートモービル)

株価 情報種類
 7.26HKD
(10/30現在)
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 広州汽車集団の18年7-9月期の純利益は、前年同期比6.0%増、前期比2.8%減の29億元と、BOCIの予想(27億元)を上回った。営業外利益(主に政府補助金)が前期の2億元から3億6,200万元に増加したためで、この要因を除外した場合、純利益はそれぞれ6.2%減、8.8%減の26億元となる。また、連結ベースでは独自開発ブランド「伝棋」(Trumpchi)の一段の価格低下が足かせとなり、売上高が予想を下押しする結果となった。粗利益の下振れと費用比率の上昇により、営業利益は前期の4億6,200万元から2億3,500万元に縮小し、ほぼ市場の予想通りの水準。ただ、トヨタとの合弁会社を筆頭に日系ブランドは好調で、投資収益は前年同期比17.9%増の25億6,000万元に達した。BOCIは続く10-12月期について、新車需要の低迷と年末に向けた費用増を見込みながらも、1-9月時点ですでに通期予想の85%を消化したと指摘。通期の予想純利益(115億元)は十分達成可能とした。19-20年に関しては「伝棋」をめぐる不透明感を指摘しながらも、日系ブランド車の好調が利益の安定的な増加に寄与するとの見方。目標株価を据え置き、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 7-9月の売上高は前年同期比3.3%減、前期比8.1%減の163億元と、BOCIの予想から下振れた。「伝棋」の販売伸び悩みと、ローエンドSUV市場における価格競争の激化を受けた平均販売価格の下落が痛手となった。設備稼働率の低下を受け、7-9月の粗利益率は18.8%と、前期比で1.9ポイントダウン。一方で広告宣伝費の増大により、販売費の対売上比率が9.5%へ前期比1.5ポイント上昇し、管理費の削減効果を一部打ち消した。7-9月の営業費用は前期比49.1%増の2億3,500万元に膨らんでいる。

 一方、7-9月の投資収益は前年同期比17.9%増、前期比4.1%減の25億6,000万元で、うち合弁会社・関連会社の貢献がそれぞれ29.1%増、1.5%減。フィアット・クライスラー(FC)との合弁会社が苦戦する中、広汽トヨタの好調がけん引した。

 BOCIは低価格SUV市場の低迷を理由に、「伝棋」の18年の販売目標(60万~65万台)達成は難しいとしながらも、日系ブランド車の健闘が業績をけん引するとの見方だ。広汽トヨタは18年通期の販売台数見通しを2度にわたって上方修正し、当初の50万~52万台を58万台に引き上げたが、BOCIはこの数字も達成可能とみる。また、広汽三菱に関しては目標の13万台を上回り、14万台に達すると予想。広汽ホンダについても、73万台の目標達成を見込む。一方、広汽FCは車種の旧型化や米中貿易摩擦により、苦戦が続く見込み。下方修正後の目標(16万-18万台)の達成も危ういとしている。

 BOCIは18-20年の予想純利益をそれぞれ115億元、120億元、129億元に据え置いた。現在株価の18年、19年予想PERが5.7倍、5.5倍にとどまる点を挙げ、株価の先行きに強気見通しを継続している(目標株価は18年、19年予想PERで7.1倍、6.8倍)。