18年1-9月期に50%台の増益見通し、高水準の配当性向持続へ

現地コード 銘柄名
00386

中国石油化工

(シノペック)

株価 情報種類
 6.79HKD
(10/18現在)
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 シノペックはこのほど、18年1-9月期決算(中国会計基準)の純利益が594億-601億元に上るとの見通しを示した。この数字から計算すると、7-9月期の純利益はBOCIの予想から上振れる見込み。また1-9月期だけで、18年通期予想の82.4-83.4%を消化する可能性が高まった。これを受け、BOCIは10月30日の決算発表後、利益見通しをかなり大きく増額修正する予定。現段階では目標株価を微調整し、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 シノペックは1-9月期に前年同期比54.7-56.6%の大幅増益となる見通しを発表した。従って、同期純利益は594億-601億元に上り、BOCIの通期予想の82.4-83.4%相当に達する見通しとなった。

 7-9月期限定では、純利益は178億-185億元となる見込み(中国会計基準)。これは前期実績を19-22%下回るとはいえ、BOCIの予想を上回る数字となる。BOCIは原油高が7-9月期の石油精製部門の利益を押し上げたとし、特に9月に関しては一時的に、部門利益率が上向いた可能性を指摘している。

 シノペックのネットキャシュ(現預金と短期保有の有価証券の合計額から有利子負債を差し引いた額)は18年末時点でプラスを維持する見込み。BOCIは18-20年のフリーキャッシュフローが1,070億-1,530億元に上るとみて、配当の先行きを楽観している。18年下期以降の配当性向については40%との控えめな数字を想定し、実際にはこれを上回ることも十分あり得るとした。同社の通期の配当性向は、14年から50%を上回る水準を維持している。

 BOCIは今回、同社H株の目標株価を小幅に引き下げたが、これは人民元相場の下落が理由。引き続き18年予想PBR(株価純資産倍率)1.2倍をベースとし、シノペック・マーケティングの上場計画による潜在的なバリュー増額(現時点で1株当たり0.29HKドル)を上乗せ形で目標値を設定した。また、3カ月平均のAH価格差(前回リポートの8月末の5%から2%に縮小)に基づき、同社A株の目標株価も小幅に引き下げた。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因としては、石油製品市場における競争激化の可能性、原油価格急落の可能性、精製事業の利益率悪化の可能性を挙げている。