米景気「拡大中期」はいつまで続くか?

 米景気が強いことは、世界経済にプラスに寄与しています。ただし、米景気が強すぎることに、やや警戒が出ています。来年以降、米景気が減速するリスクが意識されるからです。一般的に、景気循環と株価循環には、以下の関係があります。

景気循環と、金利・株価循環の関係

出所:筆者作成

 米景気は、2008年にリーマンショックで悪化した後、長期的な拡大局面が続いています。2013年以降、景気拡大中期に入っています。2014年10月にFRBは量的緩和を終了、2015年12月から利上げを再開しています。金利が徐々に上がってきたことにより、いずれ景気過熱期入りするのでは、と懸念されていました。

 ところが、2015年に原油が急落した効果で、世界的にインフレ加速は今のところ起こっていません。米国のインフレ率も落ち着いた水準にあります。インフレも金利も上がり過ぎることなく、「適温相場」が長期化していました。

 それが今回、米長期金利が3.2%台に乗せたことで、過熱期が近づいているという懸念が生じたわけです。

日本株は長期的に買い場と考える

 日本株は、長期的に買い場を迎えていると考えています。ただし、短期的には、米金利上昇に端を発した混乱が続くと考えられます。米利上げに打ち止め感が出ることが、下げ止まりの条件になると思います。ただし、そうなると、ドル安(円高)が進みやすくなるリスクには注意が必要です。

 短期的な不安はまだ残りますが、日本株の長期的な投資価値は高いと考えています。下げ止まりのタイミングを見極めつつ、買い場を探していったら良いと思います。