18年中間決算は18%増益、新空港開港による影響を楽観

現地コード 銘柄名
00694

北京首都国際機場

(ベイジン・キャピタル・インターナショナル・エアポート)

株価 情報種類
 9.08HKD
(9/3現在)
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 北京首都国際機場の18年6月中間決算では、国際線業務の拡大が寄与し、航空機離発着回数が前年同期比4.1%、旅客数が同6.3%の伸びを示した。売上高は15.3%増で、うち航空業務収入は7.6%増。非航空収入は免税店売り上げの伸びを背景に24.2%増を達成した。営業経費は13.6%増と、予想をやや上回る水準。減価償却費は1.5%減少したものの、コンセッション管理費、セキュリティー費用、契約サービス費用がそれぞれ39%、21%、45%増大した。同期純利益は17.6%増の14億8,700億元で、中間配当は1株当たり0.103元の予定。BOCIはマーケットが北京新空港(第2空港)開港による同社への影響を過度に悲観しているとし、現在株価の値ごろ感を指摘。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 空港内小売店舗から得たコンセッション収入は6月中間期に前年同期比48%増の10億元。BOCIは免税店のコンセッション収入について、18年、19年にそれぞれ24億元、27億元を見込む(18年2月に新たな契約が発効)。一方、北京第2空港は19年末に開港する予定であり、これに伴い、同社が経営する北京首都国際空港の国際線旅客数は一時的に減少する見込み。ただ、BOCIは長期的に、同社の旅客全体に占める国際線旅客の割合が再び上向くとみている。2月に発効した新たな免税店コンセッション契約では、免税店側が同社に支払う最低契約料金は30億元だが、国際線旅客数が変動すれば、この金額も調整される運びとなる。

 BOCIは19年10月から4年間にわたる過渡期において、現在の北京首都国際空港のフライトのうち32%が北京第2空港に移転すると予想している。ただ、年間ベースでは移転分は8%程度。力強い航空需要を受け、すぐにフル稼働状態に戻るとみている。航空アライアンスの中では、「スカイチーム」所属各社が北京第2空港に移転する予定だが、「スカイチーム」が国際線旅客数に占める割合はわずか15%。その半面、北京首都国際空港に残る「スターアライアンス」各社が国際線旅客全体に占める割合は54%に上る。一方、国際線が同社の旅客数全体に占める割合は18年上期に27%だったが、この数字はまだ低水準。BOCIは北京第2空港の開港に伴い離発着枠があくことで、この割合が今後さらに上向くとみる。今のところ、同社が北京第2空港の経営に参加するとの情報はないものの、北京の力強い航空需要が、長期的に北京首都国際空港のフル稼働に寄与するとみている。

 BOCIは19年予想PER15.0倍をあてはめ、目標株価を設定しているが、これは世界の同業銘柄を大きく下回る水準。同社株価の先行きに対し、引き続き強気の見通しを付与している。