湖北省襄陽の幼稚園7カ所を買収、「幼小中」一貫教育実現でシナジー効果

現地コード 銘柄名
01317

中国楓葉教育

(チャイナ・メイプルリーフ・エデュケーショナル・システムズ)

株価 情報種類
 4.49HKD
(8/30現在)
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 中国楓葉教育は幼稚園7カ所を経営する持ち株会社、襄陽君鵬教育諮詢(湖北省襄陽市)の全権益を総額1億3,000万元で買収すると発表した。襄陽君鵬の17年の年間売上高、純利益はそれぞれ2,200万元、926万元。中国楓葉教育は19年9月、現地に新たな小学校を開校する予定であり、幼稚園の買収を通じて自社グループ内の幼小中一貫教育につなげる狙いという。BOCIは買収によるシナジー効果を指摘。教育セクターの最近の株価急落を理由に目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

 BOCIは買収される幼稚園7カ所がハイエンド・カテゴリーに属する点に目を向け、1億3,000万元の買収価格を適正とみている。7カ所の園児数は1,380人、教諭数は155人で、教諭の対児童数比率は1対8.9。園児の定員数は2,000人であり、現時点の入園率は69%となる。また、年間の学費は園児1人当たり約1万6,000元で、この数字をあてはめると年間収入は約2,200万元。さらに純利益マージン42%をあてはめると、年間純利益は926万元となる。中国楓葉教育の買収前の手元現金残高は25億元に上り、内訳は18年2月の中間期末の残高が17億7,100万元、春学期の学費収入が7億元。買収後も、手元現金には十分余裕がある。

 同社は19年9月から、襄陽市で小中学校の生徒受け入れを開始する運び。この学校は資産軽量化型の事業モデルを採用しており、学校の土地建物は現地政府から借り受ける形となる。現地政府による支援はまた、生徒を募集する上でも有利。さらに幼稚園7カ所の買収が、新設校への入学希望者数の伸びに寄与する可能性が高い。

 同社は18年9月から幼稚園7カ所を統合する計画であり、これが19年の収益にある程度影響する見込み。BOCIはこの点を考慮し、現時点では収益見通しを据え置いた。一方、政策に起因する教育セクターの株価急落を受け、目標株価の設定基準を19年予想PER28倍から25倍に変更。さらに香港ドルの対人民元相場に関する想定値変更を反映させる形で、目標株価を引き下げた。ただ、目標水準までの上値余地を指摘し、株価の先行きに対しては強気見通しを継続している。一方、この先のレーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因として、全体相場の調整リスクを挙げている。