問題はこの良い状態がいつまで続くのか、ということです。貿易戦争の影響で第4四半期の米経済はブレーキがかかると指摘するエコノミストも増えています。製造業で雇用を増やしたところの多くは新興企業といわれています。小さな会社は材料コスト上昇に耐える力が弱く、高関税の影響で事業を継続できなくなるリスクが高まりつつあります。

 8月の平均時給の予想は前月比0.2%。(表-3)7月は予想を上回る前月比0.3%の上昇でした。労働賃金が上がっているのは良いことですが、上昇率がまだインフレ率に追いついていないため、労働者の実質賃金は減っているとの指摘があります。

 8月の雇用統計は、全体として強い結果が期待できそうですが、不安の種が全くないというわけではありません。今後の推移を見守る必要があるでしょう。