18年4~6月に25%のコア増益、全事業部門が大幅増収達成

現地コード 銘柄名
01810

小米集団

(シャオミ)

株価 情報種類
 17.40HKD
(8/23現在)
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 小米集団の18年4~6月期のコア利益は前年同期比25%の伸びを示し、ほぼBOCIの予想通りの水準に達した。IoT(モノのインターネット)製品事業の成長や海外市場の開拓を受け、4~6月期の売上高は同68%増。一方、インドルピー安が効率化によるプラス効果を打ち消した結果、粗利益率は同1.8ポイント後退し、コア営業利益率は前年同期を0.2ポイント下回る5.5%だった。BOCIはコア利益に関する18年の予想を5%減額する半面、19年予想を1%増額修正。目標株価を19年予想PER(コア利益ベース)28.6倍の水準に設定し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 4~6月期には全事業部門が力強く成長した。スマートフォン、IoT製品、インターネットサービス各部門の増収率はそれぞれ前年同期比59%、104%、64%で、売上構成比は67%、23%、9%。うちスマホ部門では海外市場の積極的な開拓が奏功し、販売台数が44%増の3,200万台に達した。英市場調査会社カナリスの4~6月の統計によれば、インド市場ではシェア30%を獲得し(前年同期は18%)、ベンダー別で首位。インドネシアではシェア23%(同8%)で2位の座を確保した。6月の「Mi8」発売に伴う国内の製品ミックスの高額化を受け、スマホの平均販売価格も前年同期比で10%上向いた。

 また、IoT部門の売上高は、中国、インドでの「Mi TV」の出荷台数増(前年同期比350%増)を受け、さらに加速。小米と接続しているIoTデバイス(スマホとラップトップPCを除く)は4~6月に、前期比15%増の1億1,500万台を記録した。このほか、インターネットサービス部門は端末向けファームウェア「MIUI」(ミーユーアイ)のけん引で、引き続き好調。「MIUI」のMAU(月間アクティブユーザー数)は前年同期比42%増、ARPU(加入者1人当たり月額収入)は同15%の伸びを示した。

 一方、スマホ部門の粗利益率は前年同期比で2ポイント低下したが、これは米ドルに対する人民元安、インドルピー安が原因。売上高の大半が人民元(売上全体の60%)、ルピー(同20%)建てである半面、米ドル建てでスマホ主要部品を調達していることが響いた。BOCIは今後も、為替相場が同社に不利に動くと予想。18年下期も引き続き、スマホ部門の粗利益率を圧迫するとみている。

 BOCIは18~20年の予想売上高を3~4%増額する一方、粗利益率の縮小トレンドを理由に、コア営業利益見通しを0~4%減額修正。また、関連会社損失が膨らむとの見方から、18年のコア利益見通しを5%引き下げた。目標株価の設定においては19年予想PER28.6倍(コア利益ベース)をあてはめたが、このPER倍率は中国の大手同業銘柄の目標と同水準となる。一方、利益下押しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因としては、世界的なスマホ出荷の減速と買い替え周期の長期化、中国・インド市場での競争激化、第三者サプライチェーンやOEM事業者への依存を挙げている。