ゴールド1,270ドル台、北朝鮮に反応(2017年7月31日(月)掲載分より)

ゴールドは続伸となりました。今週もまた高値引け、先週に引き続き、上昇へのエネルギーが残っていることを示しています。やはりドル安トレンドが変わらないこと、米国の経済指標が思わしくないこと、そしてFOMC(連邦公開市場委員会)でも利上げに対して慎重な姿勢が明確で、9月の利上げは遠のいたという見方が広がり、それがドル売り、ゴールドの買いを促しました。
そして28日(金)のニューヨーク時間午後遅く、日本時間夜に北朝鮮がふたたびICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射し、これまで北朝鮮情勢に慣れて反応が鈍かった市場も久しぶりに反応しました。この問題、まるでよい方向に向かっていません。市場がこの状況に「慣れた」反応を示しても、油断は禁物です。北朝鮮との融和姿勢が目立っていたムンジェイン韓国大統領も、米国と軍事的対応の協議を始めるなど、いつ何が起きてもおかしくないからです。北朝鮮問題は世界情勢やマーケットなどすべてを変える可能性を秘めており、決して慣れるべきものではありません。
来週は夏休みにもかかわらず、ゴールドはさらなる高値をトライする可能性があるのではないでしょうか。他のメタルもゴールドに連れ高。でも本当に連れ高で、独自の要因は見受けられません。金銀比価は75を超えたまま、ゴールドプラチナスプレッドも330ドルを超えて依然としてゴールドが引っ張っています。

ただパラジウムの900ドルへの接近はまた別かもしれません。上昇したリースレート(貸し借りを行う際の金利)は、このところ6-7%くらいで落ち着いていましたが、またじわっと上がってきました。やはり供給不足という構造的な理由はどうしようもないと思います。


CFTC Commitment of Traders Report as of  25 Jul 2017(2017年7月31日(月)掲載分より)

出所:池水氏のレポートより抜粋。 右軸:投資家ポジション(トン)、左軸:ドル建てゴールド価格

投資家のロングポジションは226トンから326トンへ。2016年2月以来の低レベルのロングであった先週から100トンの増加。底を打ったというところか。


ドル・ゴールド戻しでポジション調整(2017年7月28日(金)掲載分より)

FOMCからのドル売り・ゴールド買いも一服。特にニューヨークではその逆の動きでポジション整理が行われたようです。ま、基本的に静かということですね。7月28日は米国第2四半期のGDP(国内総生産)が発表。市場予想は前年同期比2.7%アップ。これ以上のよい数字が出ればドル買い、ゴールド売りになるかな。まああんまり一喜一憂しても仕方ないとは思いますが。

パラジウムが続伸昨日は一時887ドル近くまで上昇。またまた900ドルへ近づいてきました。やっぱり下がっても戻ってくるんですね。


金利上げ遠のき?ドル売りゴールド買い(2017年7月27日(木)掲載分より)

FOMC後の米国政策金利発表では追加利上げは見送り、予想通りの金利据え置きとなりました。声明では、量的緩和で買い入れた保有資産の圧縮は「比較的早く開始する」として、9月のFOMCで資産縮小を正式に開始するということをほぼ発表したような形となりました。
次回の利上げに関しては具体的な時期は言及されず、また足元ではインフレの鈍化が目立っており、イエレンFRB(連邦準備制度理事会)議長の7月の議会証言での「数カ月間は注視する」という発言のそのまま、9月の利上げは遠のいたと市場は感じ、ドルが売られ、ゴールドが買われるという動きになりました。ゴールドは1,260ドルを超え、FOMC後の声明前から10ドル以上上昇しました。やっぱりゴールド強いですね。1,200ドルは絶好の買い場だったと言えそうです。

 
ドル安一服、ゴールド、米国債売られる(2017年7月26日(水)掲載分より)

ドルと株の反発にゴールドの上昇も一服。しかし、ドルの上昇(円安)のわりにはゴールドは1,250ドルでサポートされ、円建てでは久しぶりに4,500円近くまで上昇しています。FOMC後の米国政策金利発表は7月27日の日本時間午前3時。それに続くイエレンFRB議長の会見に注目です。


残高減少が続くゴールド ETF(上場投資信託)(2017年7月26日(水)掲載分より)

最大のSPDRの残高が800トンちょうどまで減少しています。特に6月末からの残高の減少のペースは、先物市場がすでに買い戻しの動きに入っているだけにちょっと奇異に写ります。ゴールドの価格が下げ止まり上昇に途中においてもその残高が減り続けているのは不思議です。


今夜のFOMC待ち(2017年7月25日(火)掲載分より)

静かな一日でした。25日、26日と7月のFOMCがあります。そして日本時間27日木曜日の午前3時に米国の政策金利発表。ただし今回はなんら変化はなしでしょう。おそらく市場はFOMC後のイエレンFRB議長の「口調」がどうなのか、タカ派的なのかハト派的なのか、その発言内容に注目が集まるでしょう。このところの経済指標があまりよくないこともあり、慎重な内容なりそうな気がしますが、どうでしょう。そうなればさらなるドル安、ゴールド高という流れになりますが。