財政収支はゆっくり改善へ

 海外投資家が新興国に投資する場合、一つのポイントとして、その国の財政収支に注目します。インドの財政収支は悪いですが、今後、これを改善してゆくにあたって、地下経済を駆逐し、徴税ベースをしっかり拡充することは、投資家のコンフィデンス(信頼)を獲得する上でとても重要です。

 物価は過去17年で最低

 一方、2018年度のインフレ率は、過去17年で最低の3.6%でした。

 インドの中央銀行であるインド準備銀行は、インフレのターゲットを4%プラスマイナス2%に置いています。来年以降も、大体そのレンジの範囲内に収まるものと予想されています。

 インドの人口は13.2億人とたいへん多いですが、一人当たりのGDPは1,942ドルと貧しいです。貧困比率は国民の21.2%(定義=1日1.9ドル以下で暮らしている)と高いので、物価の上昇は庶民に大変堪えます。その意味では、物価をしっかりコントロールできているということは立派な成果と言えます。