インドの改革の評価

 前述の高額紙幣流通廃止措置、ならびにGSTの導入ですが、「まったく空振りに終わった」という評価が一部にされているようですが、私はそうは思いません。なぜなら高額紙幣流通廃止により、インド国民が紙幣を退蔵せず、ちゃんと銀行に預金することにつながったからです。これは、個人の所得の捕捉がしやすくなることを意味します。またクレジットカードなどの電子マネーへの移行も、地下経済の撲滅をさらに加速させます。

 一方、GSTの導入は州ごとでバラバラだった税率を一本化し、非効率を取り除きました。

 これらのことを合せて考えた場合、インドの徴税ベースはゆっくりと拡大してゆくものと思われます。