16年決算は純利益10倍増、石炭価格の上昇で17年も大幅増益に期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01171 エン州煤業 (ヤンジョウ・コール・マイニング)  6.35 HKD
(04/05現在)
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エン州煤業の2016年12月本決算の純利益は前年の約10倍を記録したが、続く17年についても3倍増以上の大幅増益が見込まれている(国際会計基準)。石炭価格の上昇や販売量の伸びが背景。また、短期的には、オーストラリアのサイクロン被害に伴う国際原料炭相場の値上がりが追い風となる可能性が高い。BOCIは同社H株の低バリュエーションを指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

16年本決算の純利益は前年の10倍に当たる16億4800万元と、ほぼBOCIの予想通りの水準だった。石炭の実勢販売価格が前年比15%上向く一方、単位当たり生産コストが2%低下したことなどが、大幅増益を支えた要因。補助剤販売益や政府補助金の急増に伴う「その他収益」の同22%増なども寄与した。

同社利益は17年も急増ペースを維持するとみられ、BOCIは予想純利益を前年実績の3.3倍に設定している。政府主導の「供給側(サプライサイド)改革」を受けて石炭価格の一段の回復が期待できることや、国際市場における原料炭供給のひっ迫傾向などが大幅増益見通しの理由。17年の石炭実勢販売価格については、前年比18%高の1トン当たり平均461元を見込む。同社経営陣は17年にまず、既存の炭鉱でのコスト維持に力を入れる方針。また、内モンゴル自治区とオーストラリアで新規炭鉱5カ所が貢献を開始するのに伴い、自社生産炭の販売量を前年比29%増の7860万トンに引き上げる目標を掲げている。一方、16年に利益押し上げに寄与した「その他収益」部分に関して、BOCIは補助剤販売益の前年並みを予想。政府補助金については新規炭鉱建設の進ちょく状況次第としながらも、前年比45%の減少を見込んでいる。

同社はA株の第三者割当増資で70億元を調達する予定。英豪資源大手リオ・ティントから豪コール・アライド・インダストリーズを買収する計画に調達資金を充当する方針という。これにより、エン州煤業の発行済み株式総数は最大13.2%増加する。ただ、増資の実施に当たっては、株主や中国証券監督管理委員会(CSRC)による事前の承認が必要となる。H株株主にとって、このA株増資は13%のEPS希薄化につながるものの、買収自体は同社利益の押し上げに寄与する見込み。BOCIは今のところ、コストやメリットといった買収要因を同社の利益モデルに織り込んでいない。

BOCIは同社H株の現在株価が17年予想PERで5.1倍と、低水準にある点に注目。一部投資家は同社の勘定操作(中国会計基準)を嫌気しているが、BOCIは例えかなり大掛かりな勘定操作が行われているとしても、現在の低バリュエーションを考慮すれば許容範囲との見方だ。また、決算発表後の利益見通しの修正に伴い、17年予想PBR0.8倍を当てはめてH株目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。潜在リスクとしては、石炭相場の急落、炭鉱買収に伴うコスト増の可能性を挙げた。

 

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