18年6月中間期は11%増益、4月以降のドル高が下期以降の不透明要因に

現地コード 銘柄名
01316

耐世特汽車系統

(ネクスティア・オートモーティブ)

株価 情報種類
 12.00HKD
(8/15現在)
 株価
 企業情報
 チャート

 ネクスティアの18年6月中間期の売上高は前年同期比3.7%増の20億5,000万米ドルと、ほぼBOCIの予想通りの水準だった。純利益は同11.1%増の1億9,960万米ドル。実効税率の低下や財務費用の低減を受け、BOCI予想の1億9,000万米ドルから上振れた。同社に有利な為替相場の変動により、中間期の売上高は約5,150万米ドル膨らんでおり(前年同期は為替要因で2,250万米ドル目減り)、この要因を除外した場合は前年同期比ほぼ横ばいだった。ただ、先行指標である受注残高が6月末に249億米ドルと、上向きに推移したことが好材料であり(18年3月末は240億米ドル、17年末は239億米ドル)。BOCIは下期にさらに上向くと予想。中間決算の上振れを反映させる形で、18年通期の予想純利益を2.3%増額修正した。一方、19~20年に関しては為替変動が逆に不利に働く可能性を指摘。予想純利益を据え置いた上で、目標株価を維持した。同社株価の先行きに対しては強気見通しを継続している。

 18年6月中間期の売上高を地域別に見ると、北米市場向けは前年同期比2.7%増。米国でフルサイズのトラック生産台数が同6.5%落ち込む中(IHS調べ)、取引先の旺盛な部品需要や製品構成の高度化が寄与し、増収を確保した。一方、アジア太平洋市場での売上高は0.6%の微増。人民元高(対米ドル相場が上期に平均7.8%高)効果で売上高が2,860万米ドル膨らみ、主要取引先(PSAや上汽通用五菱汽車)の需要萎縮というマイナス要因をカバーした。このほか、欧州・中東・アフリカ・南米向けの売上高は13.7%増。主に◇ユーロ高(対米ドルで平均11.7%高)による2,290万米ドルの収入上乗せ効果、◇前年の新規プロジェクト4件の立ち上げを受けた持ち越し効果が寄与した。

 中間期の粗利益率は18.1%。前年同期実績の高さから0.8ポイントの低下となったが、前期との比較では2.2ポイント改善した。為替相場の有利な変動や生産量の伸び、コスト管理の強化などが奏功した。

 一方、18年上期の実効税率の低下は、主に米国で18年年初に施行された法人税減税(31%→21%)によるもの。ほかに中国、ポーランドなどでも実効税率が下がり、同社全体で前年同期の19.5%から12.6%に低下した。経営陣によれば、今後は13~15%を維持する見通しという。

 18年上期にはドル安(対人民元、対ユーロ)を追い風に各市場で増収を達成したが、4月以降はこの流れが反転し、ドル高が鮮明。BOCIはこれが18年下期および19年決算に影響する可能性を考慮し、19~20年の予想純利益を据え置いた。ただ、現在株価の18年、19年予想PERは10.1倍、9.4倍と、香港上場の同業銘柄を下回る水準。目標株価(18年、19年予想PERで12.7倍、11.7倍)を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。