ロシア・ルーブルが急落
2018年8月9日、ロシア・ルーブルが5%近くも急落しました。「米議会がロシアに対する新しい経済制裁法案を準備している」と報じられたことが原因です。この法案は、3月4日に英国南西部ソールズベリーで、ロシアの元スパイがロシア製神経剤により攻撃された殺人未遂事件に対する報復です。
米国の法律では化学・生物兵器の使用国に対しては経済制裁を行う事が規定されています。トランプ政権はこの問題を静観しており、議会が中心になって動いています。
同法案には、米国におけるロシアの銀行の営業に制約が付けられるほか、ロシア国債の保有に関しても制限が付けられることが盛り込まれており、もしこの法案が成立すれば影響が大きい、と投資家は考え始めています。
議会が思ったより強硬な制裁法案を起草した背景には、米国の大統領選挙へのロシアの関与疑惑などで、ロシアに対する不信感が強いからです。
ただ、同法案が成立するかどうかはまだわかりません。なぜなら両院で可決されるだけでなく、トランプ大統領が署名しなければならないからです。
トランプ政権はかねてからロシアとの関係改善に前向きな姿勢を打ち出しており、同法案を起草した議会とは少し考え方が違います。