売買代金ランキング(5銘柄)
1 メルカリ(4385・東証マザーズ)
上場初日こそ盛り上がったものの、今のところ初日が天井のメルカリ。7月の売買代金ではトップとはいえ、出来高は露骨に減少傾向…初値で買った投資家の塩漬け株整理に時間がかかりそうです。
7月に動意づいたのは1回だけ。19日の大量保有報告で、JPモルガン・アセット・マネジメントが約731万株(発行済み株数の5.4%)取得していたことが判明したタイミングでした。
また、上場から1カ月が経過したタイミングも19日。上場から1カ月経つと、証券会社がレポートを出せるのですが、この日以降にメルカリにレーティングを付与したのは5社。そのうち4社が投資判断を最上位の「買い」にし、目標株価は高いところで6,260円までありました(5社の平均は5,500円)。日本郵政もそうでしたが、話題のIPOの最初のレーティングは強気ばかり…これは株式市場のあるあるですね。
2 データセクション(3905・東証マザーズ)
新興市場の小型株が、思わぬビッグネームから出資を受けて株価が急騰する事例が多くなっています。同社については、9日に一部で「KDDIが出資する」と報じたことを受けて買いが殺到。報道通り、10日にKDDIと資本業務提携すると発表しました。
KDDIが発行済み株数の約18%を取得し、同社のAIを使った画像解析技術をKDDIのIoTサービスと組み合わせるようです。業績に貢献するのはかなり先でしょうが、間違いなく好材料でしょう。
3 ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324・ジャスダック)
ハーモニックがストップ安するとは…。きっかけは、13日の第1四半期受注高の開示でした(同社では、3カ月に1度、10日~13日辺りに発表しています)。
第1四半期(4-6月)の受注が、前年同期比47%減、前四半期比でも47%減と急減。これを受けて売りが殺到しました。ちょうど、前日に安川電機が決算発表し、受注減を理由に株価が大きく下落。中国での産業用ロボットの受注減を心配する空気が濃くなっていたタイミングも相まって、新興株を代表する優良株の暴落につながったといえます。次に四半期の受注高が発表されるのは10月、決算発表以上に注目されそうです。
4 ビジョナリーホールディングス(9263・ジャスダック)
3月~6月まで4カ月連続で上昇。2月末終値で69円だった株価は、7月19日に付けた上場来高値で203円まで上がりました。先月まで、値上がり率ランキングで本コラムでも常連でしたが、7月は月間で28%安と大暴落。
きっかけは、25日に発表した主要株主であるアドバンテッジパートナーズなど投資ファンド勢による売出でした。しかも、売出株数は9,939万株と大規模。値動きのいい低位株ということで、売出発表の直前まで信用買い残も急増していました。この銘柄で傷を負った個人投資家は多そうです。なお、売出価格は123円に決定、受渡し日は8月9日。浮動株が急増しますので、これまでに比べて値動きも重くなりそうです。
5 ユーザベース(3966・東証マザーズ)
上昇を続けていた株価は、7月にさらなる高みへ。2日に、米経済オンラインメディア「Quartz」の全株式を、7,500万米ドル(約83億円)で取得すると発表。買収によるコストの発生で今18年12月期を最終赤字予想に修正しましたが、市場は同社のM&A戦略を高評価。同社をカバーする一部国内証券でも「買い」推奨を継続し、目標株価を2,730円から一気に4,220円に引き上げています。
グローバル事業に積極投資し、長期の利益成長を目指すグロース株。そもそも少ない信用買い残を、さらに減らしながら高値をとった動きを見ても、同社株の買い手の中心が中小型ファンドなど機関投資家であることは間違いなさそうです。