17年上期の物件成約額でトップに浮上。「業界の勝ち組」に

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銘柄名 株価 情報種類
02007

碧桂園控股

 (カントリー・ガーデン)

 9.50 HKD
(07/26現在)

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BOCIはあらゆる点から「不動産デベロッパーの勝ち組」と言える存在として、碧桂園控股を高く評価している。同社のパートナーシップ・プログラム(自社社員との損益シェア・スキーム)は業界内で最も執行力が高く、中小都市部の優良市場への参入に寄与してきたとの見方だ。2017年上期の不動産成約額は前年同期比131%急増を記録し、企業別ランキングで首位に躍進したが、その一方、純負債比率は約50%と、業界でも最も低い部類。成約額が大幅に増えたというだけでなく、採算性も高く、BOCIは17年のROE(株主資本利益率)が約20%に達するとみている。また、17年6月中間期には少なくとも前年比20%の利益成長を達成すると予想。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 

中国の不動産市場に関する最新統計を見ると、1線・2線級の主要都市部の住宅市場が勢いを失う一方、3線・4線クラスの小都市部が活況を呈しており、都市の規模別に市況の相違が鮮明となっている。主要都市部では不動産引き締めとしての購入制限が実施されているが、碧桂園控股の分譲用資源にこうした主要都市(購入制限を実施している都市)が占める割合は25%に過ぎず、現在の政策環境がむしろ追い風となっている。17年上期の成約額が前年同期比131%急増したことで、同社は6月末時点で早くも、通期目標の72.2%をクリアした格好。BOCIは通期の予想成約額を4500億元から5000億元に上方修正した。

 

同社が示した物件引き渡しスケジュールをベースに、BOCIは17年6月中間期の売上高が前年同期比20%余り増加し、700億元を突破するとみている。粗利益率は21%強を維持すると予想。コア純利益については前年同期比20%以上の伸びとなる約60億元を見込む。

 

17年1-5月には開発用地の取得に1200億元を費やしたが、これは同期の物件成約額の約49%に当たる数字。BOCIはこれに基づき、純負債比率が50%をやや上回る程度の水準を維持したとみている。引き締め気味の金融政策を受け、中国不動産業界ではこの先、統廃合が進む可能性もあるが、財務の強固な同社はこうした環境下で優位に立つ見通しという。

 

BOCIによると、同社の現在株価は17年予想PBR(株価純資産倍率)2.3倍に当たり、1株当たり予想NAV(純資産価値)17.75HKドルに対して46%のディスカウント水準。17年のROEが20%を上回る見通しや、業界を代表する同社の事業規模、さらに成長率、財務状況などを前向きに評価し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。