主力の有料道路ビジネスが好調、17年中間期に2ケタ増益を予想

現地
コード

銘柄名 株価 情報種類
00548 深セン高速公路
(シェンジェン・エクスプレスウェイ)
 7.17 HKD
(7/26現在)

株価
企業情報
チャート

深セン高速公路が保有する有料道路の1日当たり平均通行料収入は2017年上期に前年同期比8.3%増と(持ち分調整後)、ほぼBOCIの予想通りの伸びだった。BOCIは17年6月中間決算について同9.6%増収、16.1%増益を予想。有料道路ビジネスからの安定的なリターンを評価するとともに、梅林チェックポイントでの不動産開発プロジェクトに関して期待感を示し、同社H株の先行きに対する強気見通しを継続している。

 

同社の業務統計は6月も好調であり、傘下の有料道路の大半で、車両通行台数および通行料収入が2桁増を達成した。1日当たり平均通行料収入(持ち分調整後)は前年同月比17.3%増。中でも、平湖編組大橋の一時閉鎖による影響で前年同月実績が低かった機荷高速・東区間の同通行料収入は、同64%増を記録している。

 

BOCIは17年上期の通行料収入について、前年同期比9.6%の伸びを見込んでいる。1-3月期には通行料収入の伸びや貴州銀行などへの新規投資が寄与し、純利益が同38.5%増加したが、続く4-6月期も堅調を維持したとの見方。通行料収入の伸びと投資収益の増加により、6月中間期には同16.1%の増益を達成するとみている。BOCIはまた、17-19年の有料道路収入に関する予想値を小幅に上方修正した。

 

同社は環境保護事業に参入する戦略を打ち出し、長期的には同事業の売り上げ構成比を20%とする目標を掲げている。最近では重慶徳潤環境有限公司(Derun Environment)の権益20%を44億900万元で取得したが、BOCIはこうした動き自体、環境事業参入に向けた経営陣の強い決意を示すものと受け止めている。

 

経営陣によれば、梅林チェックポイントでの不動産開発プロジェクトは19年にも予約分譲を開始する見込み。梅林チェックポイントは深セン市の中心部に位置し、同プロジェクトの敷地面積は9万6000平方メートル。ここに延べ床面積にして最大48万6400平方メートルのマンションおよび商業ビルを建設する。開発用地の取得コストは総額およそ35億6700万元。立ち退き補償金を含め、1平米当たりの土地コストは約1万500元となる。一方、近隣地区の物件相場は現在、同5万-6万元の水準にあるという。

 

BOCIは人民元相場に関する想定値の修正(17年末時点の想定値を1米ドル=7.25元から6.9元に変更)や、有料道路収入に関する予想値の上方修正を反映させる形で、同社のSOTP(サムオブザパーツ)モデルを小幅に修正した。H株の目標株価は予想NAVに対して5%のディスカウント水準に当たり、17年予想PERでは13.2倍となる。一方、レーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスク要因として、BOCIは有料道路ビジネスに関する政策リスク、環境保護事業に絡む政策リスクおよび市場リスクを指摘している。