梅林関再開発プロジェクトに戦略投資家誘致へ、主力の道路運営事業は堅調

現地コード 銘柄名
00548

深セン高速公路

(シンセンエキスプレスウェイ)

株価 情報種類
 7.37HKD
(7/26現在)
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 深セン高速公路の6月の業務統計は堅調であり、1日当たり通行料収入は前年比31.3%増。1~6月では前年同期比29.1%の伸びを示した。一方、不動産開発事業では、梅林関(梅林チェックポイント)プロジェクトの物件販売が18年末までに始まる運び。BOCIはこれが向こう2~3年の利益成長率を加速させると予想。同社H株の目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した(A株に関しては中立見通し)。H株の18年予想配当利回りが5.3%に上ることに言及している。

 梅林関の再開発プロジェクト1期の分譲は年内に始まる運びだが、周辺エリアの住宅価格相場は上期も上向きに推移し、1平米当たりの平均価格は6月時点で5万~7万元に達した。BOCIは分譲価格を同6万5,000元と想定した上で、同社に対する住宅物件部分の利益貢献が約20億元に上るとみている。第1期の段階で、19~20年に計4億6,000万元の利益計上が見込めるという。経営陣の楽観見通しとは裏腹に、深セン当局の引き締め措置を受けて分譲時期が遅れる可能性はあるものの、BOCIは仮に3~6月程度遅れたといても、同プロジェクトの価値に変わりはないとしている。

 一方、深セン高速公路と親会社の深セン国際(00152)は、梅林関プロジェクトに関して、不動産開発会社を戦略投資家に迎える計画を明らかにした。戦略投資家に対し、プロジェクトを手掛ける深セン市深国際聯合置地有限公司(聯合置地)の権益30%を譲渡する予定で、対価は29億元超。取引完了後に聯合置地の持ち株比率は、深セン国際、深セン高速公路、戦略投資家がそれぞれ35.7%、34.3%、30.0%となる。BOCIはこれで財務費用が軽減されるとともにプロジェクトの価値が明確化するとみている。

 梅林関プロジェクトは開発面積9万6,000平米規模で、延床面積は住宅および商業エリア、公共エリアを合わせて48万6,400万平米に上る。土地使用権を獲得したのは15年6月で、取得総額は36億元。立ち退き補償費などを合わせた土地コストは1平米当たり1万500元だった。BOCIによれば、親会社や戦略投資家の持ち分を含む全体では、売上総額205億元、純利益総額41億元が見込めるという。

 主力の道路運営事業を見ると、6月の1日当たり通行料収入は前年同月比31.3%増、1~6月では前年同期比29.1%増。新規開通分を除外した既存道路ベースでは、それぞれ5.6%増、4.0%増だった。BOCIは18年6月中間決算について、前年同期比17.4%増収、14.3%増益を見込む。

 BOCIは梅林関プロジェクトに関する最新情報や人民元相場の変動を加味した上で、SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づいて設定したH株目標株価を据え置いた。目標株価は1株当たりNAV(純資産価値)に対して1%のディスカウント水準。一方、A株の目標株価は18年予想PER12.6倍に当たる。