投資の目的を明確にすることが第一歩
僕が仮想通貨に手を出さないのもそれが一つの理由です。今の仮想通貨ってボラティリティー(※)がやたら大きいですよね。下手すると短期間で数倍になったり数分の1になったりする。
本来「通貨」には「価値を保全する」という機能があるわけですが、今のところ仮想通貨はその機能を満たしていません。資産保全のためのツールとしては使いにくいんです。
※ボラティリティー…証券などの金融商品の価格の変動性のこと。ボラティリティーが大きいとは価格変動が大きいこと、ボラティリティーが小さいとは価格変動が小さいことを表す。
一つ断っておきますが、今の仮想通貨を否定するわけではないですよ。例えば少ない資金を短期間で何倍かに増やしたいという人は、検討に値するでしょう。株式でもここまでハイリターンを期待できる銘柄はそうはないですし。
今後、仮想通貨市場が成熟し、ボラティリティーが小さくなったら購入するかもしれません。おそらくそのときには僕と同じような人たちが、仮想通貨に群がるでしょう。そうすると、仮想通貨の価値はますます上昇する。結果、誰にとっても非常に魅力的な「通貨」になると思います。
ただ、これから始めるのはタイミング的にちょっと遅いかもしれません。これはいろいろなことに言えますが、早く始めた人のほうが恩恵を受けやすい。みんなが始めてからだと、わずかに残されたものを取り合うということになります。そういう意味では今後、新しい何かが登場したときに、素早く行動を起こせるよう、常にアンテナを張り巡らせておくことが大事なのかもしれません。
これから投資を始める人は、まずはその目的を明確にすべきでしょう。
僕のように資産の保全を第一に考えるのか、それともはハイリターンを狙いにいくのか。それをはっきりさせれば、どんな金融商品をターゲットにすべきか、おのずと絞られるはずです。
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DaiGOさん(メンタリスト・作家)
1986年11月静岡県生まれ。慶應義塾大学在学中、英国の世界的メンタリスト、ダレン・ブラウンに感銘を受け、メンタリズムの技術を習得。その後、国内唯一のメンタリストとしてテレビ番組に出演し、人気を博す。現在は企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授としても活躍中。『「好き」を「お金」に変える心理学』『ストレスを操るメンタル強化術』など著書多数。
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