18年上期のコア利益は市場の予想通り、新型車投入後の販売持ち直しに期待

現地コード 銘柄名
02333

長城汽車

(グレートウォール・オートモービル)

株価 情報種類
 5.23HKD
(7/18現在)
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 長城汽車が発表した速報値によれば、18年6月中間期の売上高は前年同期比18.0%増、純利益は同52.1%増の36億8,000万元。特別利益を除外した場合のコア純利益は36億元と、ほぼ市場の予想通りの水準だった。販売台数の2.3%増を上回る利益成長率を確保した理由として、BOCIは◇製品構成の優良化に伴う平均販売価格の上昇、◇サプライヤーやディーラーとの価格交渉を通じたコスト管理の強化、◇18年に始まったR&Dの収益化を受けた管理費の大幅減などを指摘している。続く7月の販売台数に関しては、夏の暑さや需要の停滞を受けて引き続き低調に推移するとの見方。この先、売れ行きが回復するかは、8月後半に発売予定のニューモデル(「VV6」「F5」など)に対する顧客の反応次第とした。年初からの販売台数が予想を下回ったことから、18~20年の利益見通しを8~11%減額修正し、それぞれ75億元、77億元、77億元に設定。これに伴い目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 18年4~6月期を見ると、売上高は前期比で16.8%減。販売台数の同16.3%減とほぼ足並みをそろえた減収幅となった。一方、前期に改善した製品構成を維持できたことで、平均販売価格(1台当たり売上高)は10万2,868元と相対的に高水準を保った。前年同期比では、4~6月期の売上高は23.2%増と、販売台数伸び率(4.0%増)を大きく上回る伸び。在庫処理に向けた大幅値下げで、前年同期実績が極めて低かったことが大幅増収に寄与した。

 販売台数1台当たりのコア利益は4~6月に6,691元と、前期の8,280元から後退。コア純利益率も6.5%と、前期の8.0%から下向いた。BOCIによれば、販売台数の伸び悩みで設備稼働率が低下し、コスト効率が悪化したことに加え、閑散期の需要喚起に向けたプロモーション費の増大などが響いた。ただ、4~6月期の1台当たりコア利益は、前年同期(1,289元)との比較では5,000元余り改善している。前年に実施した希望小売価格の引き下げを見送ったことや、コスト管理の強化、R&Dの収益化を受けた会計基準の調整などが理由という。

 年初からの製品構成の優良化について、BOCIは業績悪化に見舞われた前年同期の轍を踏まないよう、利益率を犠牲にした販促戦略を改めたものと受け止めている。閑散期に当たる7月には苦戦が続くとしながらも、ピークシーズンの到来やニューモデルの投入を受け、8月後半以降は段階的に持ち直すとの見方。ただ、特に10万~15万元の価格帯でSUV市場に飽和感が見られることや市場競争の一段の激化を考慮し、経営陣が設定した通期販売目標116万台の達成はかなり厳しいとの指摘。予想販売台数を5%ほぼ引き下げ、112万台に設定している。