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「ひとり旅」を満喫中の日経平均。決算シーズン前の幕間をつなげるか?
土信田 雅之
テクニカル風林火山
テクニカルアナリストの土信田雅之が、マーケットスピードを用いたテクニカルな視点で国内株式市場の動向を読み解いていきます。

「ひとり旅」を満喫中の日経平均。決算シーズン前の幕間をつなげるか?

2018/7/17
・7月13日(金)の日経平均終値は2万2,597円。前週末終値比では809円高、週足ベースでは4週ぶりの反発
・今週も25日移動平均線やSQ値(2万2,452円)をサポートに株価の戻り基調を維持できるかが焦点
・今週の日経平均の値動きは、25日移動平均線と高値の範囲内での推移がメインシナリオに
・米国決算動向を材料に、米国株から日経平均、TOPIXなどを引っ張っていく展開が続く
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 先週末13日(金)の日経平均は2万2,597円で取引を終えました。

 先週の国内株市場は7月6日に発動された米国による対中国への制裁関税第1弾(340億ドル規模)と、同規模の中国の報復措置表明を受けて迎えたわけですが、前週末終値比では809円高、週足ベースでは4週ぶりの反発を見せています。

 早速、下の図1で足元の状況を確認していきます。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2018年7月13日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

 

 あらためて先週の展開を振り返ってみますと、終わってみれば大きく上昇したことになりますが、上の図1にもあるように、値動きは荒っぽく、かなり慌ただしかったことが分かります。

 週初からの2日間(9日と10日)は大きく上昇し、2万2,000円台を回復する動きを見せたものの、翌11日には再び2万2,000円台割れの大幅反落、そして、週末にかけては2万2,500円台を上回る大きな上昇となっています。週間の値幅(高値と安値の差)は948円でした。

 もともと、週末(13日)にオプション取引・mini先物取引のSQが控えていたこともあり、値動きが大きくなりやすい相場地合いではあったのですが、株式市場をここまで大きく揺さぶったのは、やっぱり米中の通商をめぐる動きでした。

 週初の株価上昇はイベント通過による反発の面が強く、「不安はまだ晴れないが、次の動きがあるまでは株価の戻りを試せそう」という雰囲気だったと思われます。ところが、11日の国内株市場の取引開始前に飛び込んできた、「米国が中国に対する2,000億ドル規模の制裁関税の追加措置案を公表」という報道によって再び警戒モードが高まった格好になりました。

 思ったよりも「次の動き」が来るのが早かったわけですが、この2,000億ドル規模の追加措置が実行されるまでには、パブリックコメントの募集期間(約2カ月間)などもあって、まだ時間的な猶予がありますし、期限までに米中間での交渉を前進させる可能性も残されているため、すぐに落ち着きを取り戻しました。

 さらに、13日に公表された中国貿易統計(1-6月期)が良好な結果となり、「まだ米中貿易摩擦の影響が出ていない」と解釈されたことが週末の大幅上昇に繋がりました。

 また、日経平均の値動きを移動平均線で捉えると、上値や下値の目安として機能しています。コロコロと相場のムードが変化しやすい中でテクニカル的な目安が意識されたと思われます。

 とりわけ、窓を空ける格好となった13日のローソク足が25日移動平均線をサポートにしていることは明るいサインと言えます。今週も引き続きこの25日移動平均線やSQ値(2万2,452円)をサポートに株価の戻り基調を維持できるかが焦点となります。

 次に、中期的なトレンドで捉えてみます。下の図2は9月8日の安値を起点にした「線形回帰トレンド」です。

■(図2)日経平均(日足)の線形回帰トレンド(2017年9月8日を起点)

出所:MARKETSPEED for Macを元に筆者作成

 

 線形回帰トレンドはこれまでにも何度か紹介したことがありますが、一定期間の値動きを一次関数の考え方を用いて表現する統計学的なテクニカル指標です。そして、この中心線を挟んで上下平行にそれぞれ1σ(シグマ)と2σの線を引きます。正確な説明ではありませんが、ボリンジャーバンドの直線版といったイメージです。

 実際に、図2を見てみますと、線の傾きはやや右肩上がりとなっていて、上昇トレンドが継続していますが、株価は先週末の13日時点でトレンドの中心に位置していることが分かります。そして、中心線を挟んだ上下の1σと2σのあいだを「強気ゾーン」、「やや強気ゾーン」、「やや弱気ゾーン」、「弱気ゾーン」に区分すると、今週は「やや強気ゾーン」に足を踏み入れることができるのか、もしくは中心線を挟んだもみ合いとなるのかが注目されます。

 従って、今週の日経平均の値動きは下の図3のHLバンドが示す通り、25日移動平均線と高値の範囲内での推移がメインシナリオとなりそうです。

■(図3)日経平均(日足)のHLバンド

出所:MARKETSPEED for Macを元に筆者作成

 

 ただし、他の株価指数と比べると、日経平均だけが先行している点には注意が必要です。実際に、TOPIXに目を向けると、日経平均よりもかなり出遅れています。13日の取引で、NT倍率(日経平均÷TOPIX)は13倍台に乗せたことが話題となりましたが、これは1999年3月以来、約19年4カ月ぶりです。

■(図4)TOPIX(日足)の動き(2018年7月13日取引終了時点)

出所:MARKETSPEED を元に筆者作成

 

■(図5)TOPIX(日足)の線形回帰トレンド(2017年9月8日を起点)

出所:MARKETSPEED for Macを元に筆者作成

 

 確かに、先週のTOPIXも大きく上昇しているのですが、週末時点の現在地は、図4にもあるように、各移動平均を下回っているほか、まだ「M字型」のネックライン水準のところに位置しています。さらに、図5の線形回帰トレンドを見ると、トレンドの傾きが日経平均と比べて平坦になっていて、やや弱気ゾーンのところにいます。

 今月下旬から本格化する国内企業の決算シーズンを手掛かりにして物色が広がり、TOPIXが日経平均にキャッチアップしていく動きに期待したいところですが、今週は国内よりも一足早く米国が決算シーズンを迎えます。そのため、米中関係をにらみつつ、米国決算動向を材料に、米国株から日経平均、そしてTOPIXなど他の株価指数を引っ張っていく展開が今週も続きそうです。

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