18年上期に好決算見通し、下期にニューモデル投入を加速へ

現地コード 銘柄名
00175

吉利汽車

(ジーリー・オートモービル)

株価 情報種類
 20.35HKD
(7/4現在)
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 BOCIは6月末、河北省張家口にある吉利汽車の生産工場を訪問し、Lynk&Co(ボルボとの共同開発プラットフォームを利用した新ブランド)「02」モデルの発売セレモニーに参加するとともに経営陣と会談。その結果、同社の18年6月中間決算が市場コンセンサス予想を上回る可能性が高いと報告した。◇平均販売価格の上振れにより、売り上げ伸び率が販売台数の伸びを上回る見込み、◇市場競争が激化する中での堅調な利益率、◇Lynk&Co合弁事業が早くも採算ラインに乗せたことなどが背景。また、続く18年下期については、吉利汽車がニューモデルの発売を加速させると予想。競争力の高い車種の投入で製品構成の高付加価値化が進み、新たな需要を取り込む見通しを示した。市場競争が激化する中で同社がシェアを拡大させるとみて、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 Lynk&Coの2号モデルとなる「02」は高性能のスポーツ・クロスオーバーSUVであり、販売価格帯は12万2,800~19万2,800元。BOCIは「02」が軌道に乗り次第、月間販売台数が8,000台あるいはそれ以上に達するとみる。また、「02」を製造する張家口工場(年産20万台規模)に関しては、世界トップレベルの技術を備え、高度に自動化・スマート化を実現させた施設であると高く評価。「02」「03」の通常モデルのほか、「01」「02」「03」のPHEVモデルも張家口工場で製造される見通しを示した。

 同社経営陣は会談の中で、18年上期の増収率が販売台数伸び率(前年同期比40%超)を上回る見通しや、Lynk&Co合弁事業がすでに採算に乗せたことなどを明らかにしたが、この2点は予想以上の成果。下期には旗艦の「吉利」ブランドのガソリン車4モデル、電気自動車(EV)2モデル(FE-6、SX11、NL-5、MPVなど)に加え、Lynk&Coブランドの「03」、さらに「01」「02」「03」のプラグインハイブリッド(PHEV)の投入が見込まれるという。

 BOCIの推定では、18年上期の販売台数は約76万台で、Lynk&Coがうち約4万7,000台。18年通期の予想販売台数は、経営陣の目標(158万台)を上回る170万台であり、この数字は十分達成可能という。また、6月中間期の予想純利益は63億~65億元で、前年同期比では45~50%の増益となる。

 BOCIは18年、19年の予想純利益を142億元、190億元に据え置いた。現在株価の18年、19年予想PERはそれぞれ10.8倍、8.1倍。目標株価を維持した上で(目標株価の18年、19年予想PERは16.5倍、12.3倍)、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。香港株式市場は最近大きく調整したが、BOCIは市場が自動車銘柄に対して過度に悲観的になっていると指摘。