利益成長や受注見通しで同業銘柄より高評価、海外事業の開拓も順調

現地コード 銘柄名
00390

中国中鉄股フン有限公司

(チャイナ・レールウェイ)

株価 情報種類
 6.46HKD
(6/13現在)
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 BOCIは中国の建設銘柄の中で、特に中国中鉄を有力視している。同業銘柄を上回る利益成長率や新規受注の伸び、海外建設市場におけるシェアの拡大などが理由。事業構成や地域構成の点からも、同業銘柄より高く評価している。2018年に関しては、新規受注の前年比12.0%の伸びと、同8.4%の利益成長を予想。株価の先行きに対して強気見通しを継続し、建設セクターのトップピック銘柄としている。

 中国鉄路総公司(CRC:国内の鉄道建設および運営を一手に担う国有企業)からの新規受注やPPP(官民連携)プロジェクトの安定増、海外でのシェア拡大、さらに投資家とのコミュニケーションなどの点で、BOCIは同社を高く評価している。1950年創業の同社は中国2大ゼネコンの一つ。2000年には旧・鉄道部から離れ、国務院・国有資産監督管理委員会(SASAC)の傘下に入った。2大ゼネコンのもう1社は中国鉄建(01186)。国内の鉄道建設事業における“2強”の合計シェアは約90%で、両社がほぼ45%ずつを分け合う形。17年の年間売上高では、中国中鉄が6,888億元と、中国鉄建の6,810億元をやや上回った。中国中鉄の07~17年の売上伸び率は年率平均14.5%。17年には売上全体の84%が建設事業で、ほかに不動産開発が4.3%、製造が2.5%などだった。

 同社の新規受注は18年1~3月に前年同期比21.3%増。17年通年でも前年比26.1%増の1兆5,570億元と、中国鉄建を上回る伸びを示した。経営陣が示した18年の受注予想は同10~20%増。BOCIは同12.0%の伸びを見込む。

 一方、「一帯一路」戦略を追い風に海外建設市場でもシェアを伸ばし、この点で競合2社を上回る勢いを見せている。建設プロジェクトの過半数権益あるいは一部権益を握る形で、中国-ラオス鉄道、中国-タイ鉄道、マレーシアの南部鉄道、インドネシアおよびロシアの高速鉄道などに参加する。17年の海外売上比率は6.1%と、今も1桁台にとどまるが、売上伸び率は高く、2009~17年に年率平均19.8%増。国内の同9.5%を明らかに上回るペースとなった。

 BOCIは2018~20年について、前年比8.4%、9.5%、10.0%の増益を見込む。また、利益見通しが良好であるにもかかわらず、現在株価の18年の予想PERがわずか6.9倍にとどまる点を指摘。目標株価(18年予想PER8倍)を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。一方、潜在的なリスク要因としては、PPPプロジェクトの履行状況が鈍化する可能性を挙げている。PPPプロジェクトは16年に本格始動し、国内インフラ建設の成長エンジンとなったが、政府当局は17年下期以降、PPPに対する監督を強化。その後、新規のPPP事業は停滞気味となっている。ただ、BOCIは不適格プロジェクトの除外や選別が終了した後には、PPPプロジェクトが再び、段階的に回復に向かう可能性が高いとしている。