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イベント祭りのあとは「IPOラッシュ」。日本株は梅雨空模様を吹き飛ばせるか?
土信田 雅之
テクニカル風林火山
テクニカルアナリストの土信田雅之が、マーケットスピードを用いたテクニカルな視点で国内株式市場の動向を読み解いていきます。

イベント祭りのあとは「IPOラッシュ」。日本株は梅雨空模様を吹き飛ばせるか?

2018/6/18
・6月15日(金)の日経平均終値は2万2,851円。前週末比157円高、週足ベースでは2週連続の上昇
・目先の焦点である、「昨年末比でプラスに乗せきる」こと、「直近高値を上抜く」ことのうち、前者は一応クリアした
・25日移動平均線をサポートにして、直近高値超えをトライできるかが今週のメインシナリオに
・今週~月末にかけて11銘柄のIPOラッシュ、その後は決算シーズンを控えた業績相場を迎える
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 先週の国内株市場ですが、週末15日(金)の日経平均終値は2万2,851円でした。前週末比では157円高、週足ベースでは2週連続の上昇となりました。

 先週はアフター米雇用統計で始まり、米朝首脳会談や日・米・欧の金融政策会合など、経済指標や政治、金融政策といったマクロ面を中心としたイベントがお祭り状態だった一週間でしたが、株価の推移と水準だけ見れば、「終わってみれば無難に乗り切った」と言えるかと思います。

 では早速、いつもの通り下の図1で足元の状況を整理します。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2018年6月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

 

 まずは値動きです。先週の日経平均は3日続伸した後に反落して、週末にやや値を戻す展開となりましたが、週間の値幅(高値と安値の差)は344円とあまり大きくなかったほか、ローソク足の形も陽線が2本、陰線が3本と陰線が多めになっていて、値動き自体は落ち着いていた印象です。

 また、株価水準では、12日(火)の取引で節目の2万3,000円台に乗せる場面もありましたが、直近高値(5月21日の2万3,050円)を上抜けすることができませんでした。とはいえ、終値ベースでは、2017年大納会終値(2万2,764円)を下回ったのは14日(木)の取引だけですので、昨年末比でのプラスは維持しました。

 目先の焦点として、これまで「昨年末比でプラスに乗せきる」ことと、「直近高値を上抜く」ことを挙げてきましたが、前者については一応クリアした格好です。クリアと言えば、週末終値の2万2,851円は、前週末のSQ値(2万2,825円)をもクリアしています。そのため、今週も引き続き後者の直近高値超えを達成して、チャートの形をいわゆる「N字型」の上昇基調を描けるかが注目されます。(下の図2)。

■(図2)日経平均(日足)の動き その2(2018年6月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

 

 N字型を形成する前に失速してしまえば、もみ合いが続きやすくなる形になりますが、その場合、今度はN字型から「M字型」となるシナリオも浮上してきます。

 M字型はいわゆる「ダブルトップ(二番天井)」で、ネックラインと呼ばれる線を下抜けると下げが加速しやすくなると言われています。このネックラインに該当するのは、N字型となる途中に表れる押し目を指し、上の図2では3月26日〜5月21日の上昇幅に対する38.2%押しの2万2,017円になります。

 もっとも、この水準まではまだ距離がありますので、現時点で過度に警戒する必要はなく、今週に入って軟調な展開が続いた際に意識すれば良い程度と思われます。

 基本的には、25日移動平均線をサポートにして、直近高値超えをトライできるかが今週のメインシナリオになりそうです。下の図3は「HLバンド」と呼ばれるもので、これは直近25日間の高値と安値を結んだものですが、足元の株価は25日移動平均線よりも高いところに位置していますので、上方向への意識はまだ十分にあると考えられます。反対に、25日移動平均線を下回ってしまうと、相場のムードが変わってしまう可能性があるため、25日移動平均線の維持は何気に重要だったりします。

■(図3)日経平均(日足)とHLバンド(25日) (2018年6月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEED for Macを元に筆者作成

 

 また、今週はマクロ面でのイベント祭りを通過して迎えることになりますが、次に注目を集めそうなのはIPO(新規公開株)を材料としたマザーズ市場などの新興株市場かもしれません。今週19日(火)に、メルカリ(4385)がマザーズ市場への新規上場を予定しているほか、月末にかけて11銘柄のIPOラッシュとなります(6月15日時点)。

 東証マザーズ指数のチャートを見ますと、日経平均と比べてかなりの出遅れ感があるため、新興株市場の売買が盛り上がれるかも重要になってきます(下の図4)。

■(図4)東証マザーズ指数の(日足)の動き(2018年6月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

 

 そして、月末にかけてのIPOラッシュ後は7月に入るため、タイミング的には決算シーズンを控えた業績相場を迎えることになります。物色の手掛かりが豊富なため、本来であれば相場見通しをもっと楽観的に捉えたいところですが、足元の株価上昇の足かせとなっている、米国の保護主義的な通商政策や、ドル高による新興国経済への影響などは、「ちゃぶ台返し」リスクとして今もくすぶっています。

 ちゃぶ台返しリスクは今のところ、積極的な下げ材料にはなっていませんが、前回も紹介したNT倍率の拡大傾向は先週も続いていて、マザーズ指数だけでなく、TOPIX(東証株価指数)も日経平均に比べて出遅れています(下の図5)。

■(図5)NT倍率の推移(2018年6月15日取引終了時点)

出所:取引所公表データを元に筆者作成

 

 よって、今週も前回触れた通り、(1)TOPIXが日経平均にキャッチアップしていくのか、反対に、(2)先行している日経平均の方が調整していくのか、それとも、(3)引き続き日経平均が先行し続けるのを見極めていくことになります。特に、(3)の展開はその後の調整が深くなる可能性があるため要注意ですので、しばらくは梅雨空のようにスッキリしない状況が続くのかもしれません。

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