自主ブランド「伝棋」苦戦で5月も前年割れ、利益見通し下方修正

現地コード 銘柄名
02238

広州汽車集団股フン有限公司

(グワンジョウ・オートモービル・グループ)

株価 情報種類
 9.67HKD
(6/7現在)
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 広州汽車集団の5月の月間販売台数は前年同月比0.3%減少し、4月に続いて前年割れとなった。独自開発ブランドの「伝棋」(Trumpchi)や、ホンダ、フィアット・クライスラー(FC)との合弁会社が苦戦する半面、トヨタ、三菱自動車との合弁会社がそろって前年同月比50%を超える伸びを達成した。BOCIは新型カムリの人気を受けた広汽トヨタの好調が「伝棋」の不調をカバーし、2018年通期業績を牽引すると予想しながらも、◇伝棋と広汽FC(FCとの合弁会社)の販売低迷◇伝棋の低利益率などを反映させる形で、広州汽車集団の利益見通しを減額修正。さらに株式配当の実施による株数増の影響を織り込み、目標株価を引き下げた。現在株価の低バリュエーションと高配当利回りを理由に、株価の先行きに対する強気見通しを継続したものの、6月16日に予定される新型「GS4」(マイナーチェンジ)の投入が伝棋の売れ行き回復につながるか、まずは見極めるよう投資家に勧めている。

 自主開発ブランド「伝棋」の販売台数は6月に前年同月比13.3%減の3万8,298台と急激に失速し、15年5月以来のマイナス成長に沈んだ。現行「GS4」モデルの在庫削減の動きや、「GS7」など大型モデルの販売不振が背景。BOCIは「GS4」のマイナーチェンジの後、ある程度売れ行きが回復すると予想しながらも、18年通期の伝棋の予想販売台数を65万台から62万5,000台に下方修正している。また、同社の場合、「価格帯10万~15万元のSUV」に対する依存度が過度に高いと指摘し、この価格帯で特に競争環境が厳しいと報告。設備稼働率の低さや小売価格の下落により、18年以降は伝棋が利幅縮小圧力に直面する見通しを示した。

 一方、合弁各社の5月の販売台数を見ると、広汽トヨタが前年同月比50.3%増の5万88台。特に新型カムリのハイブリッドタイプが好調で、納車まで3カ月待ちの状況という。BOCIは広汽トヨタの18年の予想販売台数を52万台から55万台に上方修正し、経営陣も同様に、目標引き上げに動く可能性が高いとした。広汽ホンダは3月以降下り坂だが、BOCIは新型アコードの投入や「東風ホンダのリコール問題(エンジントラブル)」の影響が薄まるにつれ、売れ行きが回復するとみている。このほか、広汽三菱は5月に55.0%増と好調。広汽FCは48.4%減だった。

 BOCIは広州汽車集団の18~20年の予想純利益を2~4%減額修正し、それぞれ125億元、135億元、144億元に設定した。現在株価は18年予想PER6.5倍と、同業銘柄を下回る水準だが、市場では伝棋の売れ行きがピークを過ぎたとの懸念がくすぶっており、BOCIもこの点でやや慎重。「GS4」ニューモデルの投入を受けて伝棋が持ち直すかやや疑問符がつくとした。利益見通しの減額や株配の影響を反映させた上で、目標算出ベースを18年予想PER10倍から同8倍に変更し、目標株価を引き下げている。