風力設備導入に「入札方式」の新政策、大手各社に有利

現地コード 銘柄名
00958

華能新能源股フン有限公司

(フアナン・リニューワブルズ)

株価 情報種類
 3.08HKD
(5/28現在)
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 華能新能源がこのほどリバースロードショー(通常とは逆に、投資を望む側が株や債券の発行体に出向く活動)を実施したタイミングで、中国国家エネルギー局が風力発電に関する新政策を発表し、新たに入札方式を導入する方針を通達した。BOCIはこの件について、同社経営陣と話し合う機会を得た。その結果、この政策方針が中期的に同社利益にマイナス影響を及ぼす可能性は低く、「グリッドパリティ」(再生可能エネルギーの発電コストが既存の電力コストと同等か、それより安価になることを指す)を目指す風力発電業界の方向性に変わりはないと報告している。また、同社が開示した最新情報に基づいて新規の設備導入見通しを引き上げ、2019年、20年の利益見通しを2%、4%増額修正。これに伴い目標株価を引き上げた(新たな目標値は18年予想PBRで1.2倍)。この政策の発表後、同社株価は急落したが、BOCIは新措置に関する理解が進むにつれ、市場の懸念は後退すると指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 経営陣は新たな入札方式の導入について、「業界全体の健全な成長を促すとともに、大手かつ高効率の中央政府系国有企業に有利」とみている。この条件に合う1社が華能新能源。新たな政策の骨子は以下の通りとなっている。

 ◇風力設備の導入に関して、需給や送電インフラ環境などに基づく警告システムを導入する。「赤」や「オレンジ」警告を受けた省・市・自治区においては新規の設備導入を認めず、逆に「緑」指定を受けた地域に関しては導入目標の引き上げを認める可能性がある、◇既存設備の電力“消化”を最優先課題とする。各省が消化計画を中央政府に提出する、◇送電会社が風力電力の受け入れに向けた送電インフラ整備を担う、◇新規の風力設備の導入に入札方式を採用するなど。

 最後の項目に記された入札方式の導入時期は、18年の風力発電建設計画を提出済みの省では19年から、未提出の省は18年から。この通達が発表された5月23日までに同計画を提出済みの省・市は、湖北省、河南省など7を数えるという。

 経営陣はこの通達の影響に対して楽観的。まず認可済みのプロジェクトに関しては新措置の影響を受けず、従来通り試運転の段階から補助金を満額受け取ることができるとした。また、今後の入札方式の導入が卸電力価格の大幅ダウンにつながる可能性も低いとの見方。風力発電各社は当該用地の開発権を保有しており、仮に採算が合わないと判断した場合、施設建設を急ぐ必要はないと説明している。

 なお、すでに認可を取得した同社の設備導入計画は5.5GW相当で、うち1.7GWは建設中、3.8GWは未着工。BOCIはこうした認可済みプロジェクトが少なくとも向こう3年間にわたり、利益成長を支えるとみている。また、今回の政策措置は大手各社にとってプラス影響が大きいと指摘。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。