売値はコントロールできないが、買値の平均単価を低くすることはできる

 当たり前ですが、儲けるための秘訣は、安く買い、高く売ることです。

 ただ、高く売るということはコントロールできません。売値はマーケット次第なので、コントロールすることは不可能です。

 しかし、安く買うということはコントロールが一定程度できます。そんなの無理だと思われるかもしれませんが、買い付けの平均単価を低くすることは実際可能です。

 まず、日本株の指数に連動する投資信託に投資するケースを考えてみましょう。

 毎月1万円、投資信託を購入するとします。投資信託を購入するときに数量を表す単位として、購入口数※という単位を使いますが、この場合、投資信託の購入口数は、以下のようになります。(※購入口数=投資金額÷基準価額(投資信託の値段)×10,000)

【基準価格や株価が変動する場合】

・1カ月目:投資信託の基準価額=10,000円で購入 
購入口数= 投資金額10,000円 ÷ 基準価額10,0000円 × 10,000 = 10,000口

・2カ月目:株価が10%上がり、投資信託の基準価額=11,000円で購入
購入口数= 投資金額10,000円 ÷ 基準価額11,000円 × 10,000 = 9,091口

・3カ月目:株価が10%下がり、投資信託の基準価額=9,000円で購入
購入口数= 投資金額10,000円 ÷ 基準価額9,000円 × 10,000 = 11,112口

(※購入は、毎月月初に行うものとします。)

 当初10,000円で10,000口の投資信託を購入していたのが、株価が10%上がったときは、10,000口より少ない9,091口の投資信託を購入、10%下がったときは、10,000口より多い11,112口の投資信託を購入することになります。

 このとき、投資信託の買付平均単価は、以下のとおりとなります。

投資元本30,000円÷(10,000口+9,091口+11,112口)×10,000=9,933円

 次に、10,000円でスタートした基準価額が3カ月経過したときの様々なケースを見てみましょう。

1. 基準価額が10,000円・・・買付平均単価9,933円<評価単価10,000円(利益あり)
2. 基準価額が 9,950円・・・買付平均単価9,933円<評価単価9,950円(利益あり)

 1のケースは、基準価額はスタートの10,000円のままですが、それでも買付平均単価が10,000円より低いため、利益が出ています。また②のケースは、基準価額がスタートの10,000円より下がっているにも関わらず、買付平均単価がそれより低いため、やはり利益が出ています。

 これは、毎月一定額の投資信託を買い付けると、株価が高いときは、投資信託を少なく買い、株価が低いときは、たくさん買うということになるため起きる現象です。投資信託の評価単価である基準価額に対し、買付平均単価を低く抑制することが可能です。このような積立投資の方法を「ドルコスト平均法」と呼びます。このように、売値をコントロールして上げることはできませんが、買値は一定のコントロールでなるべく低くすることができます。
素晴らしい投資方法だと思います。

 ただし、例外はあります。投資する株価がひたすら右肩下がりで下落し続けた場合です。
そうすると、投資対象の選択が重要になってきます。次回、何に投資すべきかということについて書きたいと思います。