いつ投資するか?

実際に長期投資を行うとしたら、どうすればいいか、今回は、株に「いつ投資したらいいか」についてお伝えします。

一回切りの投資は、運次第

 一回切りの投資とは、投資するお金すべてを文字通り一回で投資することです。では、投資した後、どうなるのか、下のチャートをご覧下さい。

出所:Bloombergのデータより楽天証券作成(2018年5月21日)

 表1は、日本株に様々なタイミングで100万円を1回で投資した場合のシミュレーションです。今年4月末時点の金額を右端に書いています。1989年12月末に投資スタートした場合、100万円が約90万に。投資元本100万円を割り込んでいます。長期的には、経済の拡大に伴い、金融市場は拡大していくため、株式市場全体も上昇する可能性が高いと言われますが、実際はその時々における市場環境の条件次第で、何年でプラスリターンを上げられるのか、利益が出るのかは変わってきますし、誰にもそれは分かりません。

 1989年12月末と言いますと、28年以上前ですから、30年近く投資していても、プラスリターンにならない場合もあるということです。筆者はそれでもひたすら長期で待ち続ければ、プラスリターンになるときがいつかは来ると考えますが、ほとんどの投資家はそんなに気長には待てないでしょう。気長に待てないのであれば、一回切りで全額を投資して儲かるかどうかは、運次第ということになってしまいます。

何度も同じ金額でしつこく投資しよう

 次に、毎月同じ金額をしつこく長期的に投資し続けた場合を検証してみましょう。

 毎月もらう給料のうち、決まった金額を「積立貯金」する人がたくさんいると思いますが、この場合は、決まった金額を貯金ではなく、投資していくというケースです。これを「積立投資」と言います。以下は、毎月1万円ずつ毎月末に投資を続けていった場合の評価金額と投資元本の比較です。

出所:Bloombergのデータより楽天証券作成(2018年5月21日)

 上記のチャートを見れば、分かりますが、青い線の評価金額がオレンジの線の投資元本をすべて途中から上回っています。これは、すなわち儲かっているということです。表1で見たとおり、1989年12月末に一回切りで全額を投資した場合は、直近2018年4月末で評価金額は投資元本割れになっていましたが、この積立投資であれば、プラスリターンになっています。このように、しつこく、しつこく長期にわたり、同じ金額の投資を続けていくことが収益獲得につながります。