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いつまで続く?買い優勢の原油相場
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原油マーケットの行方
石油化学のコンサルティング業の原油レポートです。1週間の原油マーケットや国内ニュースがまるわかりです。

いつまで続く?買い優勢の原油相場

2018/5/21
・原油マーケットレビュー
・国内石油化学関連ニュース
・海外石油関連ニュース
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5月14日~18日原油マーケットレビュー

  前週のNY原油相場は続伸。世界的な需給引き締まりへの期待感から買い優勢の展開となっている。ジリジリと上値を切り上げており、WTI期近6月限は一時72.30ドルまで上昇、期近ベースとしては約3年半ぶりの高値を付けた。ブレントはWTIを上回るペースで上昇し、節目の80ドルを上抜くに至っている。

 米国の対イランへの制裁再発動による原油供給の停滞への懸念が、根強い買い材料となった。米国はイランからの原油調達を削減するよう各国に要請しており、制裁再開後にはイラン産原油の供給量が滞るとの見方が強い。また、ベネズエラの減産傾向も強材料視された。経済危機に陥っている同国の産油量は、前年に比べて日量50万バレルほど減少している。大統領選では欧米諸国との関係が悪いマドゥロ氏の再選が濃厚であり、経済制裁強化によりさらなる減産や輸出低下に陥ることも懸念される。国際エネルギー機関(IEA)の月例報告で、経済協力開発機構(OECD)の石油在庫は過去5年平均を下回ったことが示された。市場均衡の目標とされる水準以下にまで在庫が取り崩されるなか、イランおよびベネズエラからの供給量のさらなる減少により、需給はタイト化へと進むとの見方が相場を買い支えた。

 一方で不安要因も散見されており、右肩上がり一辺倒の相場展開には懐疑的にならざるを得ない。欧州連合(EU)は、米国抜きでイラン核合意を存続し、経済協力関係を維持する方針を示している。米国が対イラン制裁を発動するのは半年後であり、目先の原油輸出が減少することはない。また、EUとの貿易摩擦への懸念もあるため、米国が強硬姿勢を貫くことも不明な状況にある。イランからの供給減少懸念は直近の原油価格上昇で織り込んでいるため、これを手掛かりとした一段の上昇は見込み難いところ。仮にイランが大幅な輸出減を強いられ、原油市場が逼迫する事態に陥った場合には、協調減産終了の可能性も出てくるだろう。在庫水準からは協調減産が奏功したと考えられ、油価も安値圏からは十分に戻している。

 ドル高基調も上値を抑制する一因。調整終了後、再度ドル高の流れにある。買われ過ぎ感はあるが、これまではドルショートの巻き戻しの動きから上昇していた感があるが、足元ではドル買いが強まっていると判断せざるを得ない。良好な米経済指標もあるが、米長期金利の上昇は避けられないとの見方から、金利差からのドル買いの動きが鮮明となっている。原油相場はドル建てで取引され、ドル高は割高感につながることから、金利上昇、ドル高、原油高のトリプル高といった足元のバランスは早晩崩壊する可能性が高い。

 投機筋の動きにも注意が必要である。CFTCの建玉明細によると、ヘッジファンドなどの投機筋の買い持ちが3週連続で縮小している。売り買いともにピーク時に比べるとポジションが減ってはいるが、買いポジションの解消(手仕舞い売り)を進めていることが窺える。十分な利益を確保したファンドが利食い売りを進め、出遅れた一般投資家などが高値掴みさせられている可能性もある。警戒が必要な局面といえよう。

 

今週の予想

  • WTI    やや弱め 70.00-73.00ドル
  • BRENT    やや弱め 77.50-80.50ドル

 

国内石油化学関連ニュース

トピックス

  • ポリプラスチックス、LCP値上げ
  • BASFジャパン、建設化学品値上げ
  • デンカ、カーバイド値上げ
  • ダイセル、溶剤製品値上げ
  • カネカ、スペイン乳酸菌会社へ出資および製造販売ライセンス契約を締結
  • 日本板硝子、太陽光パネル用ガラス製造設備を増設
  • 帝人フロンティア、自動車向けのゴム補強材工場が操業開始
  • 東ソー、ジルコニア粉末製造設備の生産能力を増強
  • クレハ、いわき市所在の化学メーカーによる共同配送を開始
  • 東洋エンジニアリング、ナイジェリアにおける大型肥料プラント第2トレインを受注
  • ブリヂストン、高分子複合体の新合成技術により世界初のポリマー開発に成功
  • 三菱ケミカル、環境信頼性を大幅に向上させたバイオエンプラの新グレードを開発
  • 住友化学、旭友電材を連結子会社化

 

海外石油関連ニュース

OPEC、OECD在庫5年平均まであと僅か

 石油輸出国機構(OPEC)は5月14日、5月の石油市場月報を発表した。世界石油需要見通しは、2018年は日量9885万バレルと前月見通しを同15万バレル上方修正した。非OPEC石油供給見通しは、2018年は日量5962万バレルと前月見通しから同1万バレルの小幅上方修正。3月の経済協力開発機構(OECD)在庫は前月比1270万バレル減の28億2900万バレルとなり、過去5年平均を900万バレル上回る水準にまで低下している。なお、4月のOPEC加盟国原油生産量は日量3193.0万バレルと前月から1万2100バレル増加した。財政懸念のベネズエラが減産を強いられているが、その減産分以上にサウジアラビアが増産している。

単位: 1万バレル/日
出所:OPEC

 

IEA、OECD在庫は減少継続

 国際エネルギー機関(IEA)は5月16日、5月の月例報告を発表した。今年の世界石油需要見通しを日量9920万バレルとし、需要の伸びを同140万バレル増と従来予想から同4万バレル下方修正した。予想を引き下げた理由としては、世界経済は引き続き堅調だが、原油価格が3年ぶりの高水準に達し、特に昨年6月以降は75%上昇しているため、この値上がりが需要の伸びに影響しなかったら特異だと指摘している。このほか、主要石油輸入国で燃料費補助削減の動きがあることも理由だという。供給面に関しては、ベネズエラの減産およびアフリカの生産低下により4月の石油輸出国機構(OPEC)生産量は日量3165万バレルと減少し、減産順守率は172%となった。なお、3月末時点の経済協力開発機構(OECD)の石油在庫は季節的要因もあって減少し、過去5年平均を100万バレル下回った。

 

EIA、原油在庫は予想を上回る減少

 米エネルギー情報局(EIA)が5月16日に発表した5月11日までの週の週間石油統計の概要は次の通り。

 原油在庫は前週比140.4万バレル減の4億3235.4万バレルとなった。前年同期比は17.0%減と前週と変わらず。ロイター事前予想の80万バレル減を上回る減少となった。生産量は日量1072.3万バレル(前週比2.0万バレル増)と増加し過去最高を更新。輸入量は同760.1万バレル(同27.8万バレル増)と増加、過去最高となった。リファイナリーへの投入量は同1691.7万バレル(同12.5万バレル増)と増加し、稼働率は91.11%と0.67pt上昇した。輸出量は同256.6万バレル(同68.9万バレル増)と増加した。なお、WTIの受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの原油在庫は3722.3万バレル(同5.3万バレル増)と4週連続で増加した。戦略石油備蓄(SPR)は6億6203.7万バレル(同152.0万バレル減)。

 ガソリン在庫は前週比379.0万バレル減の2億3201.4万バレルとなった。前年同期比は3.6%減と前週の同2.2%減からマイナス幅が拡大した。ロイター事前予想の140万バレル減を上回る減少となった。生産量は日量1014.4万バレル(前週比21.8万バレル増)と増加した。輸入量は同72.1万バレル(同8.2万バレル減)と減少した。輸出量は同92.5万バレル(同34.4万バレル増)と増加した。需要は同953.1万バレル(同24.4万バレル減)と減少した。4週平均の需要は同937.0万バレルと前年同期の同930.6万バレルを0.7%上回る水準。全米平均ガソリン小売価格(レギュラー)は前週比2.8セント高の287.3セントと再び値上がり。

 ディスティレート在庫は前週比9.2万バレル減の1億1494.6万バレルとなった。前年同期比は21.7%減と前週の同22.7%減からマイナス幅が縮小した。ロイター事前予想の220万バレル減ほどは減少しなかった。このうちヒーティングオイル在庫は同31.0万バレル減の895.8万バレル、前年同期比7.2%減と前週の同0.8%増からマイナスに転じた。生産量は日量503.1万バレル(前週比3.8万バレル増)と増加した。輸入量は同7.7万バレル(同5.1万バレル減)と減少した。輸出量は同89.9万バレル(同45.7万バレル減)と減少した。需要は同422.2万バレル(同8.5万バレル減)と減少した。4週平均の需要は同419.1万バレルと前年同期の同406.9万バレルを3.0%上回る水準。全米平均ディーゼル小売価格は前週比6.8セント高の323.9セントと8週連続の値上がり。

 なお、プロパン/プロピレン在庫は前週比168.7万バレル増の4035.8万バレルとなった。生産量は日量188.0バレル(前週比0.5万バレル増)と増加した。輸入量は同12.9万バレル(同0.9万バレル減)と小幅減。輸出量は同76.6万バレル(同5.9万バレル増)と増加した。需要は同100.2万バレル(同2.5万バレル増)と増加した。4週平均の需要は同96.9万バレルと前年同期の同82.3万バレルを17.7%上回る水準。

 石油製品全体の4週平均の需要は、日量2006.0万バレルと前年同期の同1975.8万バレルを1.5%上回る水準。SPRを除く石油全体の在庫は、前週比70万バレル減の11億8550万バレル。前年同期を11.5%下回る水準。

 

CFTC、ファンド建玉明細

 米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した建玉明細報告によると、15日時点におけるWTIのファンド筋のポジションは64万4444枚の買い越しと、前週から買い越し幅を3万5484枚縮小させた。手仕舞い売りを進めるとともに新規に売り建ちしている。これで4週連続の買い越し幅縮小。この間で8万3687枚もの縮小となっている。一方の生産者筋は67万4375枚の売り越しと、前週から売り越し幅を2万3965枚縮小させた。こちらは新規ポジションを構築する動き。新規買いを先行させている。

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