BMW合弁会社が1~3月期に好決算、長期的には対外開放策が懸念材料に

現地コード 銘柄名
01114

華晨中国汽車控股

(ブリリアンス・チャイナ・オートモーティブ)

株価 情報種類
 14.54HKD
(5/7現在)
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 独BMWグループが発表した2018年1~3月期決算では、中国の合弁会社BMWブリリアンス・オートモーティブ(以下BBA)による利益貢献が前年同期比27.7%増の2億4,000万ユーロに達した。これは市場予想の2億1,000万~2億2,000万ユーロを上回る数字。1台当たり利益が3万6,220元(前年同期3万301元)に上り、市場予想から上振れた。ただ、4~6月期以降は次世代モデル「X3」の投入で費用が膨らむことから、BOCIは年内、1~3月期並みの収益性を維持することは難しいとし、18年12月通期の予想利益率を据え置いた(1台当たり予想利益は約3万元)。一方、「合弁会社の外資出資規制を撤廃する」との中国政府の方針に関しては、合弁契約が切れる2028年以前の段階でBBAに影響する可能性は低いとしながらも、28年を超える長期視点では、BBAを取り巻く不透明感がブリリアンス・チャイナの企業価値を後退させるとの懸念があるとの見方。同社の利益見通しを据え置きながらも、この点を考慮して目標株価を下方修正。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

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 合弁会社BBAによる独BMWへの利益貢献は、1~3月期に2億4,000万ユーロで、人民元換算では前年同期比36%増の約18億8,000万元(平均為替レートは同6.5%元高の1ユーロ=7.82元)。コスト低減が奏功し、利益成長率が販売台数の伸び(同13.8%増)を上回り、1台当たり利益は3万6,220元に拡大した。BBAの1~3月期利益は、BOCIの通期予想(71億元)の27%相当。通期予想の達成は十分可能という。

 4月後半の北京モーターショーで発表された「X3」の希望小売価格は39万9,800~58万5,800元。アウディ「Q5L」やベンツ「GLC-L」などの競合車種と異なり、ローカルタイプの「X3」は車内スペースを広げるロング・ホイールベースを採用しておらず、BOCIはこの点が潜在顧客の購買意欲に一部影響するとの見方だ。ただ、それでも優れたドライビング体験につながる「X3」の技術を高く評価し、発売から一定期間後には、月間販売台数が8,000~1万台に達するとみている。

 BBAの18年通年の販売台数について、BOCIは前年比19.0%増の46万台との予測を据え置いている。下期に販売伸び率が加速するとみて、その理由として、◇6月に発売予定の「X3」が下期の販売増に寄与する、◇「5」シリーズのモデルチェンジが行われた影響で、前年5~10月の販売実績が低いの2点を挙げた。

 BOCIはBBAの17年の予想純利益を70億6,000万元に据え置き、ブリリアンス・チャイナの18-20年の純利益を69億元、93億元、105億元に維持。同社の現在株価が18年、19年予想PERで8.6倍、6.4倍と、ヒストリカル平均を下回ると指摘した。ただ、外資規制の撤廃による長期の不透明感がブリリアンス・チャイナの価値に影響する可能性を指摘。18年予想PER12倍をあてはめ、同社目標株価を引き下げている。