「インデックス型」と「アクティブ型」の違いは?

 投信の運用手法は大きく分けて「インデックス型」と「アクティブ型」があります。

 国内株なら日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、米国株ならNYダウ平均といった株価指数、国債のような債券に関する指数、コモディティ(商品先物取引)に関する指数などの「指数」をインデックスと呼びますが、これに連動するよう運用成果を目指す投信がインデックス型投信です。

 指数に連動することを目的としているため、日経平均株価に連動するインデックス型投信を買うと、日経平均株価が1%上がれば同じように1%上がり、下がれば同じように下がります。そのため市場平均以上の運用成果をあげることはできません。

 ただし運用コストが抑えられるため、投資家が負担するコストが低いという特徴があります。

 一方のアクティブ型投信は投資テーマや投資プランに合わせた銘柄に投資することで、日経平均株価などの市場平均を上回る成果を目指します。

 例えば日本株のアクティブ型の場合、日経平均株価が横ばい状態のような低迷時でも、ファンドマネージャーの運用次第で運用成果を上げられる可能性があります。

 ただし、銘柄選定のための調査やリバランス(資産配分の再調整)などに手間がかかるので、私たち投資家が負担するコスト、つまりファンドの管理費用などは高くなります。

 投資初心者の方が最初の投信を選ぶときは、「バランス型」という選択肢もあります。
一つの投信の中で株、債券、不動産REIT(リート)などの複数の投資商品、地域に分散投資するものです。

 少し難しい話になりますが、「バランス型」には資産配分をあらかじめ決めて固定する「固定配分型」と、市場環境などに応じて資産配分を機動的に調整する「可変配分型」があり、世界が複雑に絡み合っている現在では可変型が主流になりつつあります。

 

積み立ての仕組みを使って資産形成

 ところで、「投信の概要はわかったけれど、どうやって買うの?」という方に、買い方を紹介します。

 とても簡単で、証券会社や銀行などに口座を開き、買いたい投信を選ぶだけ。投信の取り扱い数は証券会社のほうが多いので、目的に合った投信が選びやすいはずです。

 また、いくら分散投資をと言っても、投信をたくさん買う必要はありません。数が多いと管理が大変になるので3本、または5~6本で十分です。

 初めて買う人や慎重な人は、投資可能額のうち、バランス型を70%程度買って、残り30%を国内株式のアクティブ型に、というポートフォリオを組んでみましょう。もちろんバランス型一つでもいいでしょう。

 将来に備えた資産形成は、税制メリットのある口座から先に使うことが鉄則です。iDeCoや一般NISA、つみたてNISAを始めるなら、それぞれ専用口座を開くことが必要です。毎月一定額で投信を買って積み立てるiDeCo口座を開き、次につみたてNISA口座を開くという順番で、活用しましょう。お試しで買ったり、まとまったお金で買うなら一般NISA、次に特定口座がいいでしょう。

 

難しく考えず、ほったらかしでも投信なら

 投信を買った後はほとんどやることがありません。

 運用はファンドマネージャー任せで、投信の時価である基準価額も見る必要もありません。なぜなら株と違って基準価額は需給(買う人と売る人の数の差)では動かないからです。また基準価額を見て割高、割安という判断もできません。どうしても投信が気になるという人は、含み益がどれだけ出ているかがわかる「トータルリターン」というところだけ、チェックしてください。

 また、投信を買うタイミングは「いつでも」OK。

 売るタイミングは、NISAや特定口座を使い、まとまったお金で投信を買ったときは、20%の利益が得られたあたりを目安にすべて解約しても、利益の分だけ解約してもいいでしょう。

 ところで、つみたてNISAの口座は別なので、iDeCoは60歳まで(原則中途解約はできない)、つみたてNISAはできるだけ長く続けましょう。

 初めて投資をするときは、なかなか最初の一歩が踏み出せないものですが、そんなときは、ライフイベントに合わせて投信を買ってみるのも手かもしれません。
転職、結婚、子どもが生まれる、家を買う…などのタイミングなら、自分や家族の将来のために、始められるかもしれませんね。

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