17年の好決算に続いて18年も出足好調、1~2月に287%増益

現地コード 銘柄名
00762

中国聯通(香港)

(チャイナ・ユニコム(ホンコン))

株価 情報種類
 9.54HKD
(3/16現在)
 株価
 企業情報
 チャート

 チャイナ・ユニコムの2017年12月本決算は好調で、光ファイバーネットワークのアップグレードに伴う資産処分損を除外した通期純利益は前年比541%増の40億300万元に達した。サービス収入は同4.6%増。また、フリーキャシュフロー・イールド(FCF=純現金収支の対時価総額比)といった指標からも、効率改善に向けた経営陣の努力が伺える内容だった。同社がストックオプションの付与株売却制限の解除条件として収益成長率に関する最低要件を設けた効果もあり、BOCIは向こう3年間のEPS伸び率が年率平均59%に達すると予想。政策的な逆風が織り込まれた後の再評価を見込み、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 17年本決算を見ると、資産処分損除外後のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は前年比6.1%増で、EBITDAマージンは46ベーシスポイント改善した。通信鉄塔のリース費用が同11%増の165億元強に膨らんだにもかかわらず、ネットワーク経費は6.5%増と安定的。経営陣によれば、鉄塔リース費用に関しても、新たな契約条件の下、18年には15億元の削減(同レベルの利用状況を想定)が期待できるという。また、4Gの加入純増数が7,000万件に達したことで、17年のモバイルサービス収入は同7.9%増。固定通信収入は1%減少したものの、サービス収入全体では4.6%の伸びを確保した。

 18年も出足好調であり、1~2月のサービス収入は前年同期比8.2%増の433億元。携帯加入者数は570万人増加し、モバイルサービス収入は11.6%の伸びを示した。経営陣が会見の場で示した1~2月の純利益は同287%増の17億6,000万元。この数字はBOCIの1~3月期予想の70%に当たるという。ただ、BOCIはストックインセンティブの付与株売却制限の解除要件に合わせる形で、18年、19年のサービス収入見通しを1%、1.9%減額修正。予想純利益についてもそれぞれ11.2%、5.8%減額修正した。

 経営陣は18年の携帯加入純増数について3,000万件を予想。4G限定では「2I2C」(to internet to customer)パートナーの貢献を理由に、5,000万件の純増を見込む。また、今後はIDC(インターネットデータセンター)やITサービス、IoT、クラウド、ビッグデータといった産業インターネット事業が急拡大し、関連収入が17年の159億元から20年には460億元に膨らむと予想。20年にはサービス収入全体の15%を構成するとみている。アプリ開発やIoTなどの分野においては、アリババ・グループやテンセント(00700)といった有力ネット企業との提携が同社の強みとなる。

 BOCIは19年、20年の設備投資を前年比15%、25%増と予想。さらに5Gネットワークの建設加速で20年には最大720億元の設備投資が発生するとの見方。こうした要因を反映させる形で、DCF方式に基づく目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。