前日(3月9日)の市場概況

ドル/円:米雇用統計後に107円台にのせる

 金曜日に発表された米国の2月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比+31.3万人と、2016年7月以来の大幅な伸びを記録しました。失業率は4.1%で横ばいながら、60年ぶりの低水準を維持。注目の平均労働賃金の伸びは、前月比+0.1%で予想(+0.2%)を下回りました。

 雇用の拡大は米景気の力強さを示し、労働賃金の上昇は緩やかでFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを急ぐ理由もない。株式市場にとって心地よい結果となり、ダウ平均株価は440ドル高、ナスダック最高値を更新しました。

 ドル/円は、米朝会談の開催合意の発表報道で、東京時間に106.13円から107円台手前まで急上昇していましたが、雇用統計発表後はさらに107.04円まで上値を伸ばしました。1週間ぶりの107円台でしたが滞在時間は短く、押し戻されて終値は106.805円(前日比+0.638円)。

 

 

ユーロ/ドル:ユーロ高警戒発言に注意

 8日(木曜日)のECB(欧州中央銀行)理事会後に1.2445ドルをつけるも、売りに押されて1.2300ドル前後へ急落したユーロ/ドル。この日は1.23ドル前半の取引が続きました。雇用統計発表後に1.2273ドルまで下げましたが、5日の安値手前で反発して1.23ドル台に戻して引けました。

 今週ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)が、為替レートについて話し合いを持つとの噂がでています。ECBメンバーの口先介入に注意が必要です。ECB会合後の記者会見では、ドラギ総裁からユーロ高に関する警戒発言はありませんでした。

 

 

ユーロ/円:堅調ながら、132円の壁も高い

 ユーロ/円は130.66円が安値で、ドル/円の上昇に連れて131円台を回復。NY市場では131.88円まで上値を伸ばしました。ただ132円台の売りも強く、またも手前で押し戻されて、131円台前半で週の取引を終了。

 

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