販売増と利幅改善で17年に好決算達成、18年の販売目標は前年比35%増

現地コード 銘柄名
00123

越秀地産股フン有限公司

(ユエシュウチサン)

株価 情報種類
 1.55HKD
(3/1現在)
 株価
 企業情報
 チャート

 越秀地産の2017年12月本決算は、ほぼBOCIの予想通りの水準に達した。売上高は前年比14.0%増。2桁増収と利益率の改善を受け、純利益は同46.8%の伸びを示した。また、同社の財務状況は引き続き健全。17年には505万平方メートルの土地を取得したが(権益換算では211万平方メートル)、期末の純負債比率は72.8%と、不動産銘柄の中では相対的に低水準を維持した。BOCIは積極的な用地の取得や平均販売価格の高さを理由に、同社が今後も高利益率を保ちつつ成長を維持すると予想。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 17年通期の売上高は前年比14.0%増の238億元と、BOCI予想、市場コンセンサス予想からそれぞれ0.2%、1.91%上振れた。販売価格の上昇と販売面積の増加が背景。17年計上分の平均販売価格は1平米当たり1万1400元(前年1万600元)。販売面積は194万平米に達した(前年185万平米)。

 広東省以外での低利幅プロジェクトによる悪影響を16年中に消化したことで、17年の粗利益率は前年の20.8%から25.7%に大きく改善。BOCI予想、市場予想を1.4ポイント、2.1ポイント上回った。BOCIは18年も粗利益率が高水準を維持すると予想。17年に成約済みの未計上物件(収益計上は物件引き渡しベース)の平均販売価格が1平米当たり1万8,600元と、前年成約分の1万2,800元から大きく上向いたことなどをその理由としている。

 17年の2桁増収にもかかわらず、財務リスクは引き続き適正レベルを維持した。17年の取得用地は505万平米で(17年の販売面積は220万平米)、期末の純負債比率は72.8%。BOCI予想を2.4ポイント、市場予想を9.6ポイント上回ったとはいえ、同業銘柄の中では相対的に低水準だった。また、借入金利は4.30%へさらに低下し、流動性リスクの低さを伺わせている。

 経営陣が設定した18年の成約目標は前年比35%増の550億元と、BOCIの予想(500億~520億元)を上回る数字。18年の分譲可能物件は1,011億元規模であり、成約率54%との想定。16年の成約率が60%に達したことを考えれば、達成可能な数字という。

 18年の成約目標が予想を上回ったことや利益率の改善見通しを理由に、BOCIは予想NAV(純資産価値)を1株当たり3.69HKドルへ小幅に上方修正。これに伴い、目標株価を引き上げた。現在株価は18年予想PBR(株価純資産倍率)で0.5倍、18年予想配当利回りで6.0%の水準。高成長見通しの割にバリュエーションは低水準にあるとし、株価の先行きに対して強気見通しを維持している。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、政府当局による不動産引き締め強化が主要都市部の住宅市場に影響する可能性を挙げている。