ローコストの外国(海外)株式ファンドを比較検討する

 2月上旬の米国株式急落を契機とした世界株安は、長期の視野で見ると、外国株式への長期資産形成をスタートさせる好機となるかもしれません。もちろん、すでに外国株式への分散投資を実践させてきた投資家は、積み立て投資(ドルコスト平均法)の効果、すなわち「安く購入できる効果」を実感できるとも言えます。前提として、景気や金利のサイクルで株価が揺れても、長期では外国株式のリターンが預金や債券のリターンを大きく上回ってきた市場実績と期待があるからです。今回のような世界株安に直面しても、「資産形成で長期リターンを生み出すエンジン(原動力)は株式だろう」との考えに変わりはありません。

 とは言っても、株式には「ハイリスク・ハイリターン」と呼ばれる特徴があります。つまり、他の資産クラスと比較して期待リターンが高いぶん、潜在的なリスク(リターンのブレ)も高いと言うこと。株式投資にあたっては、「リスクはリターンの母である」(短期的な相場変動を乗り越えた先にこそリターンがある)との言葉を思い起こしたいと思います。
図表2では、外国(海外)株式に分散投資を展開するファンドの中で、楽天証券で比較的人気が高い(買い付けが多い)公募型インデックス投信や、内国(国内上場)ETFや外国(海外上場)ETFの一部を一覧にしました。

 ファンドの継続性を重視して「運用総額」が邦貨換算で10億円以上のファンドに絞り、長期的なコスト負担を意識してファンド種別ごとに運用経費率が低い順に並べたものです。「まるごと外国(海外)株式に分散投資するファンド」を活用し、「貯めながら増やしていく資産形成」に取り組むことをおすすめしたいと思います。

図表2:外国(海外)株式に分散投資できるファンドの一例

出所:Bloombergのデータをもとに楽天証券経済研究所作成(2018年2月27日)