銀行や通貨システムの効率化のため生み出された仮想通貨

 リップルは米国の「Ripple(リップル)」という会社が発行している仮想通貨です。2018年2月現在、ビットコイン、イーサリアムに次ぐ第3位の4兆を超える時価総額を誇ります(※データはCoinmarketcapより)。

 リップルは、「グローバルな経済ネットワークを構築し確実且つ速やかに低コストで国際送金を行う」という明確な目的のために開発されました。また、このシステムそのものを「リップル」と言い、このリップルの送金システムの中で利用される「XRP」が、リップルの通貨単位です。

 

特徴は「中央集権型」の仮想通貨であること

 リップルは1,000億XRPという発行上限があり、この全量をすでに発行しています。発行はリップル社が行っており、管理もすべてリップル社が行っています。

 また、リップルが決済処理認証に採用しているのが「プルーフ・オブ・コンセンサス(Proof of Consensus)」と呼ばれる方法です。ビットコインのプルーフ・オブ・ワークは、不特定多数の参加者で行われていますが、リップルの処理の検証・認証は、リップル社が選んだ「バリデーター」と呼ばれる企業や団体や人々が行っています。

 システムそのものは分散型台帳を利用していますが、その管理はリップル社のみが行っているため、リップルは「中央集権型仮想通貨」と呼ぶ人もいます。

 

驚くべき送金・処理スピード

 リップルの特徴であり最大の魅力がそのスピードです。他の通貨と比べてみると、リップルでの送金は4秒で完了しますが、イーサリアムは2分超、ビットコインは現時点では10分超かかります。また、1秒当たりの処理件数は、リップルが約1,500件、イーサリアムが約15件、ビットコインは約5件前後です。

 コストの安さも特筆すべきことのひとつで、たとえば海外送金を例にとると、銀行などでは数千円かかりますが、リップルだと500円程度で送金可能です。金額によっては数十円、数円で済む場合もあります。