ビットコインとの出会いから生まれた仮想通貨

 2月8日時点でビットコインに次ぐ8兆円の時価総額を持つ仮想通貨がイーサリアム(Ethereum)です。※データはCoinmarketcapより

 開発者のヴィタリック・ブテリン氏はビットコインの根幹技術であるブロックチェーンの持つポテンシャルに強く惹かれてその仕組みについて研究を重ね、2014年に若干19歳でイーサリアムを生み出しました。

 

柔軟性と多用性

 仮想通貨=価値を持ったデジタルデータ(取引記録)=決済手段と思いがちですが、イーサリアムはブロックチェーン技術を基盤とする分散型アプリケーションを作成するためのプラットフォーム(システムを動かすための環境・土台)です。

 イーサリアム(ETH)はその内部通貨として決済手段にも活用できますが、さらにプラットフォームを利用してさまざまなプロジェクトが作成できることから、その将来性に期待が集まる仮想通貨です。

 イーサリアムには「スマートコントラクト」「プルーフ・オブ・ステークへ将来的に移行」「発行上限がない」という3つの特徴があります。特に「スマートコントラクト」は世界を変える可能性を秘めた仕組みであり、そのことがイーサリアムへの期待を高める要因にもなっています。

 

特徴1 世の中の契約を簡単にする「スマートコントラクト」

「スマートコントラクト」とはビットコインのように取引記録だけなくその契約内容もプログラムとしてブロックチェーン上に書き込み、条件が満たされたら自動的に契約が履行されるという仕組みのことです。

 これまでの契約では、仲介者を置いて、ときには高額な費用をかけて相手の信頼性を担保する場面が多くありました。しかし、スマートコントラクトは、契約記録の条件を満たせば自動で契約が履行されるので、相手への信頼は必要なく仲介者も必要ありませんし、コストカットも可能です。

 また、ブロックチェーン技術によって過去の契約の実行履歴もそのすべてが記録・公開されるので透明性も保たれ詐欺行為の余地もほとんどないことがメリットとされます。

 加えて、このスマートコントラクトは仮想通貨以外に、株式、債券、金、不動産、保険など、さまざまな契約に応用することが可能です。