リグ稼働状況が大きく改善、海外事業開拓や技術サービス強化の点でも進化

現地コード 銘柄名
02883

中海油田服務股フン有限公司

(チャイナオイルフィールド)

株価 情報種類
 8.63HKD
(2/8現在)
 株価
 企業情報
 チャート

 中海油田服務の2018年のセミサブリグ(半潜水型リグ)の稼働状況について、BOCIは大幅な改善を見込んでいる。また、海外市場の開拓や技術サービス事業の強化という点でも進歩が見られるとして前向きに評価。18-19年の利益見通しを35-64%の幅で引き上げた。ただ、好材料はほぼ反映されたとみて、同社株価の先行きに対しては中立見通しを継続している。

 同社にとっては、18年の油田サービス需要の全般的な持ち直しに加え、主要取引先CNOOC(00883)による設備投資予算の大幅増額(前年比40-60%増)がプラス。掘削リグ43基のうち、1月後半時点で未契約だったのは6基と、1年前の11基(全体で44基)から改善した。この11基の稼働率は17年通年で49%だったが、BOCIはこの先、たとえ新たな契約が獲得できなくても、18年にはこの数字が68%に上向くと試算している。ただ、オフショアの掘削サービス市場では依然、供給過剰感があるとし、デイレート(日割作業料率)に関しては前年比横ばいを見込む。

 同社は海外の売り上げ構成比を50%に引き上げるという中期目標を掲げているが、実際、イラクや欧州をはじめとする海外市場の開拓において成果を上げている。うちイラクでは、坑井内の検層や改修、セメンチングなどの各種契約を受注。欧州ではセミサブリグ3基をめぐって契約を獲得した。

 もう一つの中期目標は、技術サービスの売り上げ構成比を50%に引き上げることだが、この点でもすでに進歩が見られ、「掘削同時検層」(LWD:掘削と地層状況を計測する「検層」を同時に行う技術)が取引先から好評を得ている。坑井サービスが売り上げ全体に占める割合は16年の37%から、17年には約40%に上昇した。

 BOCIは18年の大幅な業績改善見通しを理由に、同社H株の目標株価の算出基準をフォワードPBR(株価純資産倍率)0.8倍から1.0倍に上方修正。これに伴い、目標株価を大きく引き上げた。また、A株に関してもAH価格差の3カ月平均を基に、目標株価の引き上げを行った。AH価格差の3カ月平均値はBOCIが前回リポートを発表した10月末に97%だったが、現在では68%に縮小している。

  一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、BOCIは◇原油急落に伴い石油会社が設備投資を再び削減する可能性、◇掘削リグのデイレートが予想以上に低迷する可能性――を挙げている。