国家戦略「粤港澳大湾区」の恩恵銘柄、18-20年の物件販売の好調に期待

現地コード 銘柄名
00123

越秀地産股フン有限公司

(ユエシュウチサン)

株価 情報種類
 1.55HKD
(2/7現在)
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 越秀地産の2018年の物件成約額について、BOCIは前年比約25%増の500億-520億元に達する見通しを示している。また、中国の国家戦略の一つ、「粤港澳大湾区」(香港・マカオ・広東省の経済一体化構想)を受けた地域開発局面において、同社が代表的な恩恵銘柄の一つになるとの見方。18-20年に年率平均30%の成約増を目指す同社目標は達成可能としている。また、16年に20.8%だった粗利益率は17年に24%まで改善したとみて、18-19年にはさらに25%へ上向くと予想。17年の成約好調や18-19年の成約見通しの引き上げ、さらに利幅改善見通しなどを反映させる形で、17-19年の予想EPSをそれぞれ4.7%。19.1%、27.0%増額修正した。

 18年に分譲可能となる同社の物件総額は約1000億元であり、BOCIが示した予想成約額(500億-520億元)は販売率にして約50%に当たる。16年の販売率が60%に達したことからみても、50%との想定値は十分実現可能な数字という。同社経営陣は18-20年の成約伸び率について年率平均30%との目標を掲げているが、BOCIはこれも達成可能との見方。その理由として、以下の3点を挙げた。◇積極的な開発用地の補充◇事業地を全国に広げるという明確な戦略◇「粤港澳大湾区」地域におけるプレゼンス――。「粤港澳大湾区」戦略の下、当該エリアではこの先、一段の人口増や経済成長が期待できる状況にある。

 BOCIは同社の粗利益率が17年に大きく改善したとみているが、これは主に分譲価格の上昇によるもの。16年に1平方メートル当たり1万2625元だった平均販売価格が、17年には1万8409元に上向いた。同社が現在進める開発プロジェクトの粗利益率は25-30%に達するとみられ、今後も一段の利幅改善余地があるという。

 収益力が向上する一方、同社の財務リスクは依然、相対的に低水準を維持している。手元現金が短期債務をカバーしている上に、財務費用は縮小傾向。BOCIは17年の純負債比率が約70%と、引き続き同業他社との比較で低水準にとどまるとみている。

 BOCIは成約額や利益の上振れ観測を理由に、1株当たり予想NAV(純資産価値)を23%引き上げ、3.57HKドルに設定。同時に目標株価を上方修正した。同社の現在株価は18年予想PBR(株価純資産倍率)で0.5倍にとどまる半面、17年の予想配当利回りは4.7%の水準にあると指摘。今後の成長見通しや財務の健全性を考慮し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。