順次グレードアップしているイーサリアム
イーサリアムの最初のリリースは「イーサリアム・フロンティア」と呼ばれるネットワークで、2015年7月から稼働しました。これは骨格だけのソフトウェアで、いささか使いにくかったです。2016年になると「ホームステッド」というバージョンがリリースされました。そこではアプリケーション・テンプレートと呼ばれる雛形が容易されており、わかりやすいインターフェースになっています。さらに2017年10月には「メトロポリス」というバージョンがリリースされました。
ゆくゆくイーサリアムは次世代の「セレニティー」にアップグレードしてゆくロードマップを持っています。「セレニティー」ではこれまでのPoWによる検証をPoS(プルーフ・オブ・ステーク)という検証方法に移行する予定です。
PoSの利点はPoWが莫大な電力を浪費するのを避ける点にあります。また個人でも検証のノードを運営することがしやすくなるので、マイナーの寡占化を食い止める狙いもあります。
PoSモデルではノードはランダムな方法で選ばれます。またノードの選抜にあたってネットワークのステーク(通貨保有量)が多い人がより高い確率で選抜される仕組みになっています。
PoWはビットコインにも採用されており、それがちゃんと機能することは証明済みです。しかしPoSはそれがちゃんと機能するかどうか未知数の部分があります。言い換えればPoWからPoSへの移行は、イーサーへの投資をする際のひとつの潜在的なリスク要因だということです。