マーケットを楽観視して良い理由

 企業業績に目を転じると、いますこぶる好調です。今年のS&P500のEPS(一株当たり利益)予想は、クリスマス前は146ドルでしたが、現在は155.7ドルに急伸しています。1)EPS予想の上昇と、2)このところの株式市場の調整で株価収益率は過去2週間の間に18.2倍から16.6倍まで下がりました。過去10年間の平均PERが14倍であることを考えると、この16.6倍という数字はべらぼうな割高ではありません。

 つまりマーケットはこれまでいささか上げピッチが速すぎたけれど、今回スピード調整が入ったことで適正な水準まで下がってきたと言えるのです。投資家のバラ色のシナリオが下方修正された今、米国株は「買い」で良いと思います。

今後の注意点

 なお今後、もう一度、今回のようなマーケットの急落があれば、そのときは景気の持続性に関して疑問を持ったほうが良いと思います。そう考える理由は、株式の含み益の消滅は消費者のセンチメントを悪化させる懸念があるからです。いわゆる逆資産効果が出るわけです。だから「株式市場の急落は、景気とは関係ない!」と決め付けないほうが良いと思います。