急落で相場の潮目は変わったのか?

 足元の株価急落で相場のムードが悪化したのは間違いありません。ただし、このまま下落が続くのかはまだ判断しづらい状況です。

(図2)日経平均(週足)の動き (2018年2月6日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

 上の図2は週足の日経平均のチャートです。図に描かれているトレンドラインは、以前にも紹介した「トリプルボトム崩れ」の安値どうしを結んだものですが、日経平均はこのラインを挟んで、強気と弱気の展開を繰り返してきたことがわかります。今週に入ってからの急落で、このラインを下抜けて弱気入りしたことになりますが、26週移動平均線が下値メドとして機能しているほか、下値も切り上がっていることもあり、相場が崩れている印象はありません。

 

下げ幅のインパクトをどう見るか?

 今回の下落が大きくなった背景は、「適温相場が続く」というこれまでの相場見通しの前提が揺らいでしまったことによって、我先にと手仕舞いが集中したことをはじめ、これまでの株高に対する利益確定売りのタイミング、週末に控えている国内株価指数デリバティブ取引(mini先物・オプション)SQへの思惑、下げが下げを呼ぶ投げ売りなどが重なったことによるものと思われます。

 また、売りのきっかけとして米国金利の上昇が挙げられますが、では、金利上昇によって実体経済に何か具体的な影響が出はじめたかというと、まだその状況ではなく、観測が先行している面が強いと言えます。

 そのため、需給的な売買が一巡すれば、思ったよりも早く相場が下げ止まり、反発する展開も有り得ます。少なくとも、下げ幅のインパクトそのもので弱気判断する必要はないと思われます。

 

今後の基本戦略は?

 株価反発の動きへの期待は十分にあり、目先のポイントは「どこまで戻すか?」になりそうです。ただ、これまでの「適温相場」の見通しが復活するシナリオは描きにくく、強気に傾くには新たな買い材料が必要と思われます。

 直近の下落で下抜けてしまった75日移動平均線や25日移動平均線の水準が目安になりますが、株価水準的には、昨年後半に2万2,000円〜2万3,000円台でもみ合った期間が比較的長いこともあり、2万3,000円が上値のハードルとして意識されそうです。

 反対に、200日移動平均線や52週移動平均線を下抜けてしまうと、下値を探るシナリオが浮上してくるため注意が必要ですが、状況が変わり次第、当連載でチェックしていきます。