系列の深セン航空に成長期待、前海地区の再区分では市政府と合意

現地コード 銘柄名
00152 深セン国際集団
(シェンジェン・インターナショナル)
株価 情報種類
 15.90HKD
(1/31現在)
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 深セン国際集団の直近決算においては系列会社である深セン航空の存在感が大きく、2016年通期、17年上期には純利益の41%、40%を深セン航空の貢献が占めた。BOCIは旅行需要の拡大や国内線の運賃改革などを理由に、航空業界全体の先行きを楽観。機体保有量で国内4位の座にある深セン航空について、17-19年の力強い利益成長を見込んでいる。一方、深セン前海地区の土地再区分に伴い、同社が市政府に譲渡する用地の評価額(補償総額)は先ごろ、97億3,000万HKドルに確定した。市政府側は代わりに、前海の別区画を譲渡する形で、同社に現物補償する運びとなる。BOCIは前海地区の再区分が予想通りのペースで進行していることを前向きに評価するとともに、深セン航空が同社価値の上乗せにつながると予想。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 深セン国際集団による深セン航空の持ち株比率は49%で、51%は中国国際航空(00753)が保有する。深セン航空は最近になって国際線ビジネスを開拓しているが、本来国内線が主体であり、ROE(株主資本利益率)で同業銘柄を上回る水準にある。BOCIは深セン航空のROEが17-19年に20%超を維持すると予想し、引き続き深セン国際集団に大きく寄与するとの見方。さらに同航空の17年1-9月の純利益が早くも16年通期を上回る水準に達したことに触れ、17-19年に年率平均23%の利益成長を見込んでいる。

 深セン市政府に譲渡する前海のロジスティクス用地(敷地面積約38万平方メートル)の評価額は、15年1月を基準日とした評価で97億3,000万HKドルに確定した。市政府は土地スワップの形で、別区画を深セン国際集団に割り当てる運び。この土地評価額は、◇深セン市政府が確認した現金外の再評価価値、◇市政府が対価として同社に譲渡する土地の将来的な開発――という2部で構成される。

 BOCIによれば、深セン国際集団は評価額の確定に伴い、17年に28億7,000万HKドルの一回性利益を計上する見込み。1株当たり配当(DPS)は17年に0.92HKドルに上るとみられ、配当利回りは5.8%となる。17年には一回性利益が大幅増益に寄与する見通しだが、深セン航空の貢献や有料道路ビジネスの成長、ロジスティック・パークの拡大などを背景に、コア利益も17-19年に伸びを維持する見通しという。

 BOCIは前海の再区分に関する市政府との合意を受け、SOTP方式に基づいて目標株価を引き上げた。18年の予想ROEを23%とした上で、深セン航空に関してはPBR(株価純資産倍率)1.7倍をあてはめた。ただ、前海で新たに取得する新区画の開発に関しては不透明感も残ると指摘。この部分に関しては土地評価額に対して35%のディスカウント水準を適用している。