月またぎとなった先週の国内株市場ですが、週末2月2日(金)の日経平均終値は2万3,274円でした。前週末1月26日(金)の終値(2万3,631円)からは約357円安で、週足ベースでは3週連続の下落となりました。前回も指摘した通り、「相場は下方向へ意識が向かいやすくなっている」展開だったと言えます。
日経平均は再び上昇基調に戻すことができるのかが気になるところですが、まずはいつものように下の図1で足元の状況から確認していきます。
■図1 日経平均(日足)の動き:2018年2月2日取引終了時点
ローソク足の並びですが、2万4,000円台乗せとなった1月23日以降はとにかく陰線の多さが目立っています。6本連続で陰線が続いた後、ようやく2月1日(木)に陽線が出現したかと思えば、翌2日(金)にはまた陰線が現れています。あまり良いムードでないことは一目瞭然ですが、その中でも月初に上昇を見せたことは明るい材料です。実は、「月初の日経平均は上昇する」というパターンが続いているのですが、その記録を20カ月連続に伸ばすことができました。
次に、移動平均線をからめて見ると、5日移動平均線が上値の抵抗になって株価が推移しているほか、25日移動平均線も下抜けてしまいました。移動平均線どうしの関係では、5日移動平均線が25日移動平均線を下抜ける「デッド・クロス」の形になっています。
株価水準の面では、これまで維持してきた大発会の終値(2万3,506円)を下回ってしまいましたが、何とか大発会の安値である2万3,065円の水準で踏みとどまっています。
今週は先週までのさえない相場ムードを払拭できるかが注目されますが、先週末の米国株市場でNYダウが9年2カ月ぶりとなる下げ幅(665ドル安)となっていることもあり、国内株市場もいったん米国株市場の流れを受けてのスタートになることが濃厚です。
ただし、これまでの米国株市場は強気一辺倒でこれといった調整の場面がなかったこともあり、このタイミングで利益確定売りが集中しただけと考えることもできます。その通りならば、先週末のNYダウの下げ幅ほど相場の下向きのインパクトは少なく、売り一巡後に反発する可能性も残されているため、早い段階で米国株市場が落ち着けるかがポイントになります。とはいえ、株価が下落したことは事実ですので、想定レンジはこれまでよりも引き下がることになります。目安となるのは、これまでに度々紹介している「扇形トレンド」が意識されそうです。
■図2 日経平均(日足)の「扇形トレンド」 :2018年2月2日取引終了時点
中期的な上昇トレンドの起点となった昨年9月8日を起点にして、株価の調整が下げ止まったところを複数のトレンドラインで描いたものが扇形トレンドです。先週からの下落が下げ止まったところで新しくトレンドライン④が描かれることになるのですが、これに伴って想定レンジは②〜③から、③〜④の範囲に引き下がることになります。2万4,000円台乗せもまだ範囲内にありますが、先週末の株価からの距離は2万3,000円割れの水準のほうが近く、まずは下げ止まりから反発のきっかけを確認したいところです。
さらに、別のテクニカル指標でも中期的なトレンドの状況をチェックしてみます。前回、日足で紹介した平均足とMACDの組み合わせですが、今回は週足で見てみます(下の図3)。
■図3 日経平均(週足)の平均足とMACD:2018年2月2日取引終了時点
前回触れた日足に続き、週足でも平均足が陰転し、MACDもシグナルを下抜けクロスしそうな状況となっています。中期的にもトレンド転換が警戒されつつあり、踏ん張りどころに差し掛かっています。
最後に月足でも見ていきます。2018年1月の四本値は、始値が2万3,073円、高値が2万4,129円、安値が2万3,065円、終値が2万3,098円でした。これらで描かれるローソク足は下の図4のように、上ヒゲの長いものとなります。
■図4 2018年1月の日経平均(月足)のローソク足
具体的には、実体が25円と短く、上ヒゲが1,031円とかなり長くなっています。一般的に、ローソク足の実体は相場の強さ、ヒゲは揺らいだ気持ちを表します。1月は、株価が大きく上昇したものの、その後売りに押された格好です。いわゆる「塔婆(とうば)」と呼ばれる形で、高値圏で出現すると相場の転換点になることが多いとされる形です。
となると、日経平均が再び買いの勢いを取り戻すには、強い買いエネルギーや、新たな材料が必要になってくるため、2万4,000円台の回復は思っているよりも遠くなった可能性があります。足元の株価下落が「節分天井・彼岸底」のタイミングということもあり、今週、反発する場面があっても、25日移動平均線水準への復帰が最初のハードルとなります。




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