17年通期決算は小幅に予想上振れ、10-12月に不良債権指標の改善が鮮明に

現地コード 銘柄名
03968 招商銀行股フン有限公司
(チャイナ・マーチャンツ・バンク)
株価 情報種類
 38.55HKD
(1/24現在)
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 招商銀行は2017年12月本決算の速報値を発表したが、それによると、同期純利益は前年比13.0%増の701億5000万元と、市場コンセンサス予想、BOCI予想をそれぞれ0.7%、0.8%上回った。主に非金利収入が予想を上振れたため。不良債権残高は10-12月期に前期比4.7%減と、17年年初から四半期ベースで最大の減少率を記録。BOCIはこれを受け、不良債権残高および与信コストに関する想定値を引き下げ、18年、19年の予想純利益を1.5%、3.3%増額修正した。これに伴い目標株価を小幅に引き上げ、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 速報によると、17年通期純利益は前年比13.0%増の701億5000万元。EPSは同13.01%増の2.78元。同期利益が市場予想やBOCI予想を上振れたのは主に非金利収入が予想を上回ったためで、特に10-12月期の正味非金利収入が前期比7.8%増、前年同期比14.8%増と好調だった。これで、17年通期の正味非金利収入は前年比1.4%増と、1-9月期の同2.1%減からプラス成長に転じた。

 一方、17年12月末時点で、総資産、貸出総額、預金総額はそれぞれ6兆2900億元、3兆5700億元、4兆600億元と、前年同期比で5.9%増、9.3%増、6.8%増。前期(9月末)比では2.0%増、2.1%減、2.2%増だった。また、BOCIの推定によると、貸し付け以外の金利資産は10-12月に前期比で7.7%増。優先株発行の完了を受け、過去3四半期を大幅に上回る伸びを記録したという。

 不良債権比率は17年12月末に1.61%と、前期(9月末)比で5ベーシスポイント低下し、BOCIの予想以上のペースで資産の健全化が進んだ。不良債権残高は574億元と、9月末比で4.7%減。BOCIは10-12月の与信コストについて約2%との予測を示し、前年同期比で低下する半面、前期比では上昇したとみている。不良債権残高に対する引当率は期末に推定約250%と、9月末比を15ポイント上回った可能性が高いという。

 17年10-12月期の不良債権指標が予想より良好だったことを受け、BOCIは18年、19年の予想EPSを1.3%、2.5%上方修正した。新たな予想純利益はそれぞれ前年比で13.8%増、11.9%増(普通株株主に帰属する分の予想純利益は前年比11.2%増、12.2%増)。同社の現在株価が18年予想PBR(株価純資産倍率)で1.6倍の水準にあるとし、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。