18年以降もモール開業が相次ぐ予定、物件販売と賃貸収入が成長エンジンに

現地コード 銘柄名
01109 華潤置地
(チャイナ・リソーシズ・ランド)
株価 情報種類
 28.30HKD
(1/22現在)
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 華潤置地の不動産成約額は2017年に前年比40.8%増の高い伸びを記録したが、それだけでなく、不動産賃料収入も同21%の伸びを達成した。BOCIは豊富な土地資源を理由に、物件販売、賃貸の両事業が今後も同社の収益成長を牽引するとの見方。資産回転率の引き上げを目指す経営方針や新規ショッピングモールの相次ぐ開業予定(18年に8カ所、19年に9カ所)に言及し、うち賃料収入は18-19年に少なくとも年平均20%前後の伸びを示す見通しを示した。また、17-18年も全体で約34%の粗利益率を維持し、18年のROE(株主資産利益率)は16%に達すると予想。同社の利益力の高さを指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 17年の物件成約額は前年比40.8%増の1520億元。経営陣は18年に戦略を調整し、不動産締め付けの一つ、「分譲価格値上げ制限」を受けて後退していた資産回転率を再び引き上げる方針を明らかにしている。同社が17年に新たに取得した土地は延べ床面積換算で1200万平方メートル(販売面積は960万平方メートル)。保有用地面積が大きく増えたわけではないが、17年末時点で4000万平方メートル強に達しており、引き続き土地資源は潤沢。BOCIは資産回転率の加速方針を受け、18年も高収益成長が続くと予想。18年の成約額については前年比20%増の1830億元を見込む。

 BOCIは一部プロジェクトの進ちょくが予想より遅れたことを理由に、17年の予想EPSを7%下方修正したが、18年、19年に関してはそれぞれ1.2%、2.7%増額修正した。ブランド力や優れた品質を背景とした価格決定力の高さから、粗利益率は17年、18年も約34%の高水準を維持するとの見方だ。また、17年に支払う土地代金800億元を反映させても17年末の純負債比率は約41%と、同業銘柄に比べ低水準にとどまる見通しを示し、現在の引き締め環境の下、資金調達面で同社が有利な立場にある点に言及している。

 一部プロジェクトの収益計上のタイミングは予想より遅れたが、BOCIはキャッシュフローに及ぼす影響は軽微とみて、1株当たり推定NAV(純資産価値)を38.28HKドルに据え置いた。同社の現在株価は18年予想PBR(株価純資産倍率)1.3倍と、対NAV比で26%のディスカウント水準にある半面、18年の予想配当利回りは3.4%。BOCIは物件販売、賃貸という2つのエンジンの存在や高ROE、良好なバランスシートなどに言及した上で、現在株価の値ごろ感を指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、政府当局による締め付け策継続の影響で、成約率の改善が難しくなる可能性を挙げている。