2018年の相場が始まりました。干支にちなんだ相場格言は「戌(いぬ)笑う」とされていますが、そのスタートは力強いものとなりました。大発会である1月4日(木)の日経平均終値は2万3,506円となり、2017年末の終値(2万2,764円)から741円高の大幅上昇を見せたほか、節目の2万3,000円台乗せも達成しています。国内株市場がお休みだった期間の米国株市場が上昇した流れを引き継ぐ格好になっています。

図1:日経平均(日足)の動き (2018年1月5日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

 早速、上の図1で足元の相場状況を確認していきます。

 先週はわずか2日間の取引でしたが、日経平均は大発会翌日の5日(金)も上値を伸ばし、前日比で208円高を見せました。大発会と合わせると949円の上昇幅です。ローソク足の形も大発会に出現した「窓空けの大陽線」が印象的です。

 これにより、昨年末に形成した「三角保ち合い」も大きく上放れしました。これまで上値を抑えてきた2万3,000円台の節目はもちろん、昨年11月9日につけた、取引時間中の高値(2万3,382円)もあっさり突破しています。

 以前から指摘した通り、この11月9日を境にした日経平均のもみ合いは、中長期的に見て、「今後も続く上昇トレンドにおける小休止」なのか、それとも「天井から下落トレンド入りとなる転換期」なのかを見極めるという重要な意味合いを持っていました。これが11月9日の高値を超える値動きとなったことで、前者である上昇トレンド再開のほうに軍配が上がりつつあるように見えます。となると、リクツ的にはトレンド転換の兆しに注意しつつ、この強気相場に乗っかるというのが、今後の基本的な投資スタンスとなります。

 とはいえ、「さすがに年初の上げは強すぎるのでないか?」と思われる方も少なくないと思います。しかも、今週は国内株価指数のmini先物取引やオプション取引のいわゆるミニSQが週末に控えていて、値動きが荒くなる展開も想定しなければなりません。

 また、年初の株価上昇は米株市場にけん引されている面が強いです。その米株市場は、1月2日にNASDAQ総合指数が初の7,000ポイント台乗せ、翌3日にはS&P500指数が初の2,700ポイント台に乗せ、さらに4日にはNYダウが初の2万5,000ドル台乗せと、主要株価指数が連日で史上初の節目に乗せるほどの勢いと強さです。いつ相場の過熱感が意識されてもおかしくはなく、少なくとも利益確定売りに押される場面が訪れそうなことは予想できます。