11月の業務統計は堅調、新たな免税店契約が18-19年の利益成長に寄与

現地コード 銘柄名
00694 北京首都国際機場
(ベイジン・キャピタル・インターナショナル・エアポート)
株価 情報種類
 11.76HKD
(12/13現在)
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 北京首都国際機場の11月の業務統計を見ると、同社が運営する北京首都国際空港の航空機発着数は前年同月比2.4%増、旅客総数は同7.5%増。BOCIは同空港が数年にわたってフル稼働状態にあることに言及した上で、11月の利用状況の伸びを前向きに受け止めている。同社が親会社に対して支払うコンセッション委託管理費はインセンティブボーナス付きで22%に維持される見通しだが、同社利益に及ぼす影響は軽微との見方。それより、新たな免税店コンセッション契約が2018年、19年の利益成長に寄与するとみて、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 中国民用航空局(CAAC)は17年9月、東南地区の空港を対象に、発着枠や運行路線の増加幅を最大約5%に制限する新規定を通達した。発着スケジュールの遅れを最小限に抑える狙い。17/18年の冬・春シーズン(17年10月29日-18年3月24日)から同規定を適用したことで、北京首都国際機場としても関連フライト数の削減を迫られた。ただ、航空市場のピークシーズンを迎え、同社の発着数は引き続き増加傾向にある。11月には国際線の発着数が前年同月比6.3%増、国内線が同1.2%増。旅客数は国内線が同9.5%、国内線が同6.9%の伸びだった。

 同社が中国免税品集団(China Duty Free Group)との間で締結した新たな免税店コンセッション契約は18年から8年間の長期契約であり、最低契約料金は30億元と、旧契約下にあった16年の約3倍。売り上げ分配比率は空港ターミナル2で47.5%、ターミナル3で43.5%に設定され、免税事業者側はこの分配額か最低契約料金か、どちらか高い方の金額を北京首都国際機場に支払う運びとなる。

 BOCIは19年から4年間にわたる過渡期において、現在の北京首都国際空港のフライトのうち32%が北京第2空港に移転するとみている。ただ、力強い航空輸送需要を受け、移転対象となる年間8%分の枠に新たなフライトが割り振られるとの見方。18年予想PER16.1倍相当の目標株価を維持し、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。目標算出ベースの予想PER16.1倍は同社株価の過去3年の平均値とほぼ同じであり、世界の同業銘柄を大きく下回るという。

 一方、BOCIはレーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、北京第2空港へのフライトの移転が予想以上に大規模となる可能性を挙げている。