投資の世界には、語り継がれている様々な“格言”がある。「人の行く裏に道あり…」などというフレーズを聞いたことがある人も多いのでは。

 なかでも“有用”なのはどんな格言なのか? 30~50代の個人投資家200人に、「納得できる」「自分の考えに近い」と思う“投資の格言”について、アンケート調査(R25調べ/協力:アイリサーチ)した。ビギナー&未経験者は、意味もあわせてチェックしてみてほしい!

 

投資家が「納得できる」と思う投資の格言TOP10

(13項目のなかから上位3位まで選択。1位3pt、2位2pt、3位1ptとして集計)

  • 1位 売り買いは腹八分 298pt
    (売り買いはほどほどにすべきだということ/投資する資金はほどほどにすべきだということ)
  • 2位 もうはまだなり、まだはもうなり 169pt
    (「もう下がらない」と思ったときは「まだ下がるかも」と考えるべき、逆もまたそうであるということ)
  • 3位 相場は明日もある 154pt
    (情報に飛びついてすぐ売り買いに走らずとも、1日ぐらい遅れても大丈夫だということ)
  • 4位 遠くのものは避けよ 98pt
    (日頃から知っている商品や会社など、なじみのあるものに投資すべきだということ)
  • 5位 二度に買うべし、二度に売るべし 95pt
    (一度に大きく売り買いするのではなく、二度に分けて慎重にすべきだということ)
  • 6位 売るべし買うべし休むべし 76pt
    (時には投資を休むことも必要だということ)
  • 7位 相場は相場に聞け 70pt
    (相場のゆくえは相場しかわからないので、自分の考えなどを押し通すべきでないということ)
  • 8位 人の行く裏に道あり、花の山 52pt
    (他の投資家と反対のことをやったほうがうまくいく、ということ)
  • 9位 高値おぼえ、安値おぼえ 48pt
    (過去の高値や安値にとらわれて、状況を見誤ること)
  • 9位 三割高下に向かえ 48pt
    (いつまでも“上がるかも”と期待するのでなく、3割上がったら売るべきだということ)

 1位の「売り買いは腹八分」は、つい無理をして頑張ってしまいがちな投資ビギナーには必須とも言えそうな格言。「腹八分」が指すのは、「取引の回数」「投資にまわす資金」のどちらの場合もあるという。そのほかも含め、上位の格言に寄せられた、個人投資家たちからのコメントは以下の通り!

1位 売り買いは腹八分

「余裕を持って取り組むべき」(31歳・男性)
「力を入れすぎるのも危険」(32歳・男性)
「バランスが大事だから」(31歳・男性)
「人生をかけるほど熱くなってしまうのは身の破滅」(57歳・男性)
「欲をかきすぎると損をする」(59歳・男性)

2位 もうはまだなり、まだはもうなり

「自分の判断に過信をしないことが大切だから」(30歳・女性)
「これ以上上がらないと思って売ったら、自分が購入した4倍の値段になった」(45歳・女性)
「欲張りすぎないことで、視野を狭くしないようにいつも注意しているから」(46歳・男性)
「ある程度の利益で妥協した方が良い」(51歳・女性)

3位 相場は明日もある 

「目の前の浮き沈みだけを見ない」(53歳・女性)
「とても相場に合っている言葉だと思う」(37歳・男性)
「損失が出てあわてたが少し長いスパンで見ていたら益が出た」(59歳・男性)

4位 遠くのものは避けよ 

「今持っている株数十社はほとんどそういう株で、優待でもらえるものも日常的に使えるものだからいい」(41歳・男性)
「投資対象を把握していないといけないから」(44歳・男性)
「アナリストレポートよりも自分で見た聞いた身近なもののほうが変化がわかりやすい」(48歳・男性)

5位 二度に買うべし、二度に売るべし 95pt

「一度に大きくすると期待も大きくなり、なかなか損切ができない」(50歳・男性)
「リスク分散」(57歳・男性)
「様子をみることが大切」(56歳・男性)

 上位には「バランスが大事」「過信しない」など、日常生活全般から人生レベルにまで有用そうなコメントが多い印象。金銭的な利益にばかり目が行きがちな投資の世界だが、先人たちの知恵に学びながら、余裕を持ってスマートに運用するのが正解だろう。(梵 将大)